内容説明
武田家に仕える津島智之介と小杉隆之進は、十五の時に初陣を共にした同志だった。だが、智之介は、隆之進の妻で、自分の元許嫁であった菜恵と密通していた。そんなとき、隆之進が何者かに殺され、智之介に嫌疑がかかる。汚名をそそぐため、そして罪の意識から、死の真相をひとり探り始めるが…。
著者等紹介
鈴木英治[スズキエイジ]
1960年静岡県生まれ。99年、第一回角川春樹小説賞特別賞を「駿府に吹く風」(刊行に際して『義元謀殺』と改題)で受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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わたしは元気
5
武田信玄後の武田家のお話。 2022/08/06
茶幸才斎
2
武田勝頼に仕える下級武士、島津智之介は、正体不明の忍びに襲われ、自らの目の前で親友である小杉隆之進を惨殺されてしまう。横目付だった隆之進は、一体何を探っていたのか。また誰に殺されたのか。謎を探る智之介だったが、それが解けぬまま、武田の軍勢は織田信長との雌雄を決するため、長篠の地に向かう。前半で積み残した謎の答えを、長篠の合戦の後、どんなに見事に回収してくれるのか。この歴史的合戦の裏には、とんでもない驚愕の事実が隠されていたに違いない。と読者の期待は否応なくこの一点に注がれるわけだが。んー、そうですか。。。2010/08/31
としえ
1
武田家の武士、智之介は夜道で何者かに襲われ、さらには数日後横目付である友の隆之進を目の前で殺されてしまう。自分を罠にはめ隆之進を襲ったのは何者なのか、謎を追ううちに武田家を揺るがす不穏な空気を感じるが、決め手のないまま戦を迎える。前半は謎解き、後半は武田家対徳川・織田家の長篠の戦が書かれており、時に後半の戦場での心情や光景は生々しく、ハラハラし、一気に読めた。・・・が、肝心の謎解きが、これでいいのか?という点は残念の一言。いい感じで終わってはいるし、こういう終わり方は好きだが、何かすっきりしない読後感だ。2013/05/05
Tatsuhito Matsuzaki
0
武田家の旗本津島智之介は、かつての友の不審な死の陰にお家の存亡を左右する陰謀を感じ取った。 その探索の最中始まった長篠の戦いで武田軍は大敗を喫したが、その戦火を生き延びた智之介は、遂に仕組まれた謎を知ることとなる。 戦乱の世に自分らしさを貫こうとする智之介の生き方に清々しい読後の清涼感を味わえる作品でした。
とーふ
0
ストーリーは楽しめた。前半の展開の結末が思っていたよりあっさりとしていたが。ミステリーでないのでこんなものか。甲府駿河三河と親しみのある地方が舞台の話だったのでより楽しめる話だった。戦国/島津智之介/武田/長篠の戦い/2014/01/20