内容説明
罰や、ついに神さまが怒らはり、罰を当てはったんや。お定はこう思いながら、それでもしかしと首を傾げた…。二十五年前、生まれたばかりの息子と女房のお定を残して、忽然と姿を消した又七。その消息が、ある日突然、おみさという娘からお定のもとへ寄せられる。又七は気鬱の病を患い、寝たり起きたりの状態。なんとかお定に引き取ってもらえないかというのだ。その申し出をお定は毅然として断るが、後日再び現れたおみさと許嫁の友兵衛の話は、お定を驚かせるものだった…。公事宿(現在の弁護士事務所兼宿泊施設)の居候・菊太郎が又七の身の上に鋭く迫る表題作ほか全六編収録。シリーズ待望の第十五集。
著者等紹介
澤田ふじ子[サワダフジコ]
1946年愛知県生まれ。愛知県立女子大学(現愛知県立大学)卒業。73年作家としてデビュー。『陸奥甲冑記』『寂野』で第三回吉川英治文学新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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星落秋風五丈原
14
25年ぶりに帰ってきた夫。その変わり果てた姿は、何を意味しているのか? 表題作ほか全6編収録。公事宿の居候・田村菊太郎が京の街に巻き起こる難事件・怪事件を鮮やかに解決するシリーズ第15集。「奇妙な婆さま」「牢囲いの女」「朝の辛夷」「女衒の供養」「あとの憂い」「扇屋の女」2007/10/29
り~くん先生・酒豪友の会
1
表題の女衒の供養といい扇屋の女といい、ちょっと納得の行かない話が目についた。2014/10/28
mitsuru1
1
シリーズ第15弾 心地よきマンネリ感 今回の後書きは余計だな。2009/05/02
kazu@十五夜読書会
0
公事宿事件書留帳シリーズ第15巻。乳飲み子とお定を残して忽然と姿を消した又七。二十五年ぶりに、その消息をおみさという娘から聞いたお定は、気鬱の病で寝たり起きたりの又七を、今更ながら引き取ってもらえないかと懇願される。お定は申し出を撥ねつけるが、後日、許嫁を伴って再来したおみさは予期せぬ話を口にした…。(「BOOK」データベースより)2012/11/14