内容説明
なぜ、ユダヤ人は迫害されてきたのか?ヨーロッパの裏面史ともいえる「反ユダヤ主義」の流れを古代から現代まで通史的に辿り、ナチス・ドイツによるホロコースト(大虐殺)に至る歴史的・心情的背景に迫る。
目次
序章 本書の問題関心
第1章 古代におけるユダヤ人迫害
第2章 中世におけるユダヤ人迫害
第3章 スペインにおけるユダヤ人迫害
第4章 東欧とロシアにおけるユダヤ人迫害
第5章 近代西欧におけるユダヤ人迫害
終章 繁栄と迫害とメシア運動
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
雪月花
38
映画『関心領域』を観てから、なぜこれほどまでにユダヤ人は迫害されるのかという疑問を持ち、本書を手に取った。それは根深く、紀元前170年頃の古代までさかのぼる。聖書を紐解き、要所要所で引用しながらの概説で、世界史には明るくない私でもついていけた。しかし、言いがかりにしか思えないようなこと(例えばイエス・キリストを死に追いやったとか黒死病が流行ったのはユダヤ人が井戸に毒を入れたからだとかその他諸々)でこれだけ迫害されるのはどうにも解せない。指導者への絶対的服従によって個人の良心が無視される恐ろしさを感じる。2024/06/24
ライラック
0
なぜユダヤ教徒がキリスト教徒から迫害されるのか、各国の迫害の歴史や態様が詳しく書かれています。ナチによるショアーもいきなり起こったのではなく、それまでの下地があってのことだというのがよくわかります。ショアーから個人としてはともかく、国家としてユダヤ人を守ろうという国がなかったのも差別感情からなのでしょうか。2024/03/31