内容説明
それは夢のような時間だった。気がつくと、中庭はサーカスの舞台になっていた。月の光で、張られたロープがぬれたみたいに見える。月のスポットライトに照らされて、ロープの上を一輪車に乗った高太郎さんがわたっていく。あたしは、まばたきもできずに、舞台を見つめて動けない。不思議な夜だった。アパートメント中が息をふき返していた。小学校上級から。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ともこ★
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くれないまなこの2作品目。どうして、中沢晶子さんの作品を読んでる人がこんなに少ないのが、不思議でならない。2014/06/22
遠い日
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ずいぶん間があいて、再びまなこの物語。小学5年生として登場。まなこは、相変わらずあんまり学校が好きではない。やはり、この作品も戦争が残した爪痕が、人の心をどれほど痛めつけ続けているのかを見つめている。中沢さんが、子供達に伝えようとしていることは、不思議な物語でもなんでもなく、本当は、こちらの方に重きがあるのかもしれないと、私は読むたびに感じる。素敵な人たちとの出会いが、確かにまなこを変えたようだ。ささめやさんの挿絵が、やっぱりとてもいい。中沢さん、このころのようにもう一度、子供の本をたくさん書いて下さい。2004/08/30
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