内容説明
病院と消防と警察は、暇なほど、世の中は平和なのです!でも、現実にはなかなかそうはいきません。病院の仕事は個人レベルでの「病理」を扱う仕事。消防と警察の仕事は、見た目こそ違え、共通するのは、社会レベルでの病的状態、つまり「社会病理」を扱う仕事であるということ。さらに、これら3者に共通するのは、「予防」が大事であるということ。本書では、火災や救急を始めとする、消防が扱う社会病理を、疫学的な手法を用い、時間や気象などとの関連をも含む様々な切り口から考え、得られた結果を、消防関係の方々のみならず、一般の方々まで知っていただくことにより、予防、つまり社会病理現象を減らすことに役立てようとするものです。
目次
1 火災編(わが国の主要都市における気象条件と放火に関する疫学的検討;放火と気象条件の疫学的関連性;ごみステーションへの放火に関する疫学的分析 ほか)
2 事故・救急編(「不慮の事故」関係;「自殺」関係;「救急」関係)
3 地震編(2011年の放火・自殺発生状況と東日本大震災との関係の検討;東日本大震災が被災3県において犯罪・自殺・離婚に及ぼした影響;医療の面から見た平成30年北海道胆振東部地震;熊本地震が熊本県の自殺・離婚・放火に及ぼした影響)
著者等紹介
西基[ニシモトイ]
1958年札幌市に生まれる。2002年北海道医療大学生命基礎科講座教授。小児悪性腫瘍の疫学的研究を端緒とし、成人の悪性腫瘍、鬱病などの精神疾患、さらに自殺・事故・放火などの社会病理学的現象についての疫学的研究を行う。医学生のための教科書や参考書の執筆も手掛ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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