出版社内容情報
時代も場所もまったく異なる文学作品たちをつなぐテーマは〈12か月〉――12か月のうちの〈11月〉をテーマに古今東西の小説・詩歌・随筆を集めたアンソロジー。四季をあじわい、あの作品といま同じ季節を生きるよろこびをつくる本。
シリーズ全12巻。装丁:岡本洋平(岡本デザイン室)
鈴木三重吉/田山花袋/小沼丹/林芙美子/岩本素白/幸田文/立原道造/ノーラ・ロフツ 他著
小野寺健 他訳
【編者紹介】
西崎憲
翻訳家、作家、アンソロジスト。訳書にコッパード『郵便局と蛇』、『ヘミングウェイ短篇集』、『青と緑 ヴァージニア・ウルフ短篇集』など。著書に第十四回ファンタジーノベル大賞受賞作『世界の果ての庭』、『蕃東国年代記』『未知の鳥類がやってくるまで』『全ロック史』『本の幽霊』など。フラワーしげる名義で歌集『ビットとデシベル』『世界学校』。電子書籍や音楽のレーベル〈惑星と口笛〉主宰。音楽家でもある。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
53
秋の終わりと冬の始まり。枯葉舞い散る物悲しい季節に相応しい作品が揃った一冊となっている。読んでいると写実的な作品が目立つかなあ。田山花袋と国木田独歩、荷風が続くからそう感じたのかも。一方で岩本素白「こがらし」や小沼丹「秋風」等の滋味溢れる作品もあるので油断できない。萩原朔太郎「坂」は初読だが名品「猫町」を思わせる出来で、こういう作品に出会えるからアンソロジー読むのは止められない。海外作品もシュオップにカルヴィーノと言う事無し。十一月は作品数が少なく選ぶのに苦労したそうですが、そうは思えない名作揃いでした。2025/11/17
くさてる
12
人気アンソロジーシリーズ、今回は「11月」。心に響くような作品はもちろん、たとえ趣味でない話でも質が高いことは間違いないと思わせる粒揃いのアンソロジーだった。児童文学の人としか思ってなかった鈴木三重吉の迫力ある情けなさが際立っていた。林芙美子も読ませる。既読の豊島与志雄、幸田文はしみじみと良かった。ノーラ・ロフツはくすっと笑わせて楽しく、レベッカ・マカーイは既読だったけどやっぱり良い。おすすめです。2025/11/28
paluko
10
なんか荒涼とした感じの表紙で、11月のイメージってこんなものなのかなあと思うも、自分の誕生日がタイトルに入っている作品があった(嬉)。「こがらし」『細雪』の中にも東京のからっ風が耐えられない、という下りがあったけれど。「沼のほとり」小説より奇なる暗合なのか、怪異なのか。「小春」そう、詩情への共感って永続しなかったり。「水」日本家屋の掃除に水を使うにはここまで神経を尖らせる必要があるのか。「十一月の願いごと」この季節がテーマでこの底抜けの明るさ。「木靴」人生って何だろうと考える。「秋風」ミクロな季節感の妙。2026/01/09
げんなり
4
そうか、確かに11月って特徴がないかもなあと(解説にもあるのだけれど)、けれども収録作たちの絢爛たる感じに圧倒されつつ読み終わる。 巻頭のシュオップの作品から面白いのだけど、幸田文の随筆がすごく良かった。他の作品、急いでチェックしたい。 初めて読んだアルフォンス・アレー、ノーラ・ロフツのユーモア、これを楽しく読み終えることの贅沢、少し緩やかで暖かな世界の存在が必須なので、そういう試金石のような物だと思う。作品もまた読み手自体も。2026/01/12
水蛇
2
日本ではこれといったイベントがないしヨーロッパでは死者の日も多かったりしてどこかさみしげで陰鬱な印象の11月だけど、だからこそ特定の色に染まらない揺らいだ感じが好きだった。西崎憲「あかるい冬の窓」や志賀直哉「十一月三日午後の事」がとくにこの月の色に合ってる。わたしも雨上がりの花びらに大きな水滴がついてるのを見るといっつもパートナーを呼んで見せちゃうし、すごくわかるよ紡木くん。でも同時にだれかのそういう気持ちがどっしりしすぎて逃げることも多いから彼女の心情もわかる。白っぽい寒すぎない冬の街でふたりとも2025/11/06
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