感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
61
夢魔と題しているだけあり、他人の夢の中を彷徨っているような読後感であった。というのも各話一貫したストーリーの話もあるものの、どちらかというと物語の断片を繋いだ行き当たりばったり的な話が多いように感じられる。その不合理な所が夢と言えば夢らしい。その為物語を楽しむというよりは文章の欠片を拾い集めているような感じがしないでもないが、オカルト企画が飛んでもない方向に転がりだす「むかしの企画」等は好みである。昔黒澤明の『夢』って映画見たが、あれも映像の断片を拾い集めたようなものであったな。本書でも似たように感じる。2023/08/09
nightowl
3
やや説明的な文章が目立つ。幻想より不条理な作品が持ち味らしい。蔓延する疫病の中、自分だけが眠れない「眠り病」職探しの顛末「標本」ムー的題材を語るうちおかしなことに「むかしの企画」島田清次郎の人物像に圧倒「虚像」などが好み。2023/01/02