感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nnpusnsn1945
40
題名通り独混の歴史をたどった本である。日露戦争の旅団から、シベリア出兵、日中戦争の大陸戦線から、太平洋戦争の南方まで網羅している。と同時に、軍紀弛緩がシベリア出兵から起因していることがわかった。この問題が解決されないまま日中戦争に突入し、住民の不評を買ったのである。南方における軍政がなぜ失敗したかも書かれている。日本軍上層部は土地に向かない農業をやらせたり、白人から解放すればついていくと思ったりと、これは恨まれてもやむを得ないであろう。平和学習にもこの本はピッタリといえるかもしれない。2020/12/05
CTC
9
国書刊行会刊。『帝国陸軍師団変遷史』の藤井非三四氏の新刊。本書は主に治安維持や守備隊としての任を果たした独混にスポットをあてたもの。一般師団169個に対して、昭和期に126個編成された“独立混成旅団”。けっこうな数が編成された理由は、まさしく大陸の実情と台所事情の厳しさによるわけだ。著者は本書でも、事実の羅列に留まらず、各事柄や判断の理由を記してくれる。一見微に入るテーマで、単行本購入は少々逡巡したのだが…他国を統治する難しさをかような側面から理解できる驚きがあり、組織運営の実態を知られる好著であった。2020/03/23
dongame6
5
中国から太平洋の孤島、ビルマ、沖縄まで日本軍の戦線には必ずあった「独立混成旅団」について、成立の経緯から部隊の特色、戦歴までを広く扱った「独立混成旅団という枠から見た日中、太平洋戦争」という観のある本で、扱う時期は日中戦争からソ連侵攻までと長く、扱う地域は中国大陸治安戦からビルマ、フィリピン、中部太平洋の孤島まで広範だが、要点を絞っており非常によく纏まった本だと思う。自分は編成の事はよく分からないが、その辺りは丁寧に説明があり分かりやすかった。反面編成史のようなものを期待するとそこまでではないかも知れない2023/08/14
フルボッコス代官
2
私の外にも独混が好きな人がいたんか!と思ったら藤井非三四で納得。軽いフットワークで動き回れる独混は師団ほどの兵力を要しない治安・近接と何でも屋の部隊、そこに焦点を当てた逸品。先を越されたかと熟読してしまった。まぁ、いつもの通り、旅団長はwiki見やがれってか、了解!2020/08/24
onepei
2
戦争が必要とする(人的)資源の量におどろく2020/07/05