内容説明
「汝の意志するところを行なえ。これこそ法のすべてとならん」―“中毒”の鎖を断ち切り、囚われた心を解き放つために。ある夜、運命的に出会った若き恋人たち。意識変容と至高の愛をめざした、麻薬の山への登攀が、いま始まる。20世紀最大の魔術師にしてカリスマ的アーティスト、クロウリー自らが執筆し商業出版したことで大きな話題を集めた小説。出版当時、毀誉褒貶相半ばし、『ユリシーズ』と共に「「汚物と猥褻物」以外何も見あたらぬ」とも批判され、クロウリーがイタリアから国外追放となる原因ともなったが、悪名に反して理智的かつ道義的であり、自身をモデルにした登場人物からその実像が浮かび上がる点でも注目される。クロウリーの代表的著作である
著者等紹介
クロウリー,アレイスター[クロウリー,アレイスター] [Crowley,Aleister]
1875‐1947。イギリス(イングランド)のオカルティスト、魔術師、作家、詩人、登山家。ケンブリッジ大学在学中に「黄金の夜明け団」に入団。その後世界各国遍歴の旅に出、神秘主義結社を開設して数多くのオカルティズム文献を著述した
植松靖夫[ウエマツヤスオ]
上智大学大学院博士後期課程修了。現在、東北学院大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
井月 奎(いづき けい)
36
麻薬を嗜むのは普通免許しか持っていない人がブレーキの壊れたF1カーで一般道を走るようなものです。ほぼ確実に事故を起こします。その代償は少なくとも社会的信用と自らの健康、多ければ単純に命です。恍惚の一秒が永遠に思えるそうですが、それは快楽の先取りでしかありません。引きちぎるように盗んだ快楽の穴には地獄のような禁断症状を埋め込むしかないのです。得たものは対価を払うのが決まりです。なにもせずに得た強烈な快感の対価、恐ろしいではないですか。全三巻のこの物語、この巻は強烈な光の果て、真の闇の陰りが現れるまで、です。2018/03/16
もよ
13
ものすごいパワー。まだ1/3だ。どこに向かうのか...2018/03/02
a.k.a.Jay-V
5
本書に限っては一冊とは言わずワンパケが正しい。310pはg。ページを開く事はラインを作るという事で、鼻で一気に読んだ。花粉症の時期には少し早いが、さっきから鼻をすすってばっかり。何故なら本書が国家委員(と早口で10回言いましょう)2018/02/24
ぽよぽようと
2
ペンドラゴン氏、コカインを覚えてヤク中の女と電撃結婚、そのままヨーロッパをハイになりながら豪遊の巻。しかし記述の端々にもう頭がやられてしまってることがうかがえる。騙されていろいろ取られたところで天国篇終了。こっから地獄かあ。まあがんばれって気持ちしかない。2018/04/05
いなお
2
案外まともな文章を書くのがびっくりだった2018/02/09