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内容説明
●コロナ禍で揺らぐ民主主義、デジタル化で広がる経済格差…… ●「社会の分断」に対処し、信頼ある社会を築くことができるか? ●世界の知性9人が説く「自由と民主を取り戻す」ための提言! 新型コロナウイルスは、民主主義国家における政治指導者たちのリーダーシップの欠如を容赦なく露呈させ、同時に、デジタル経済の発展と絡むかたちで、世界の格差拡大を著しく助長した。さらには「個」の孤立が新たな不安を引き起こし、巷には陰謀論の数々があふれた。インターネットやSNSでいくらつながっていても、それだけでは「信頼感のある社会」を築くのは難しい。これから人類は、国際的連携や信頼ある社会を、どのように取り戻していくべきだろうか? 本書は、国際ジャーナリスト・大野和基氏が9人の「世界の知性」に、「自由と民主の危機」の解決のヒントを訊ねた論考集である。多様な背景を持つ彼ら彼女らの最先端の知見には、我々が未来への希望や目的を失わないようにするための答えがあるはずだ。 【著者】アンデシュ・ハンセン、ロルフ・ドべリ、ジャック・アタリ、ネイサン・シュナイダー、ダニエル・コーエン、ダグラス・マレー、サミュエル・ウーリー、ターリ・シャーロット、スティーヴン・マーフィ重松 【インタビュー・編】大野和基(敬称略)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
幸猪
20
「アンデシュ・ハンセン」「 ジャック・アタリ」 「スティーヴン・マーフィ重松」の著書に興味があったので読んでみた。全体主義から民主を守るための提言がテーマ。精神科医や心理学者などの提言は理解しやすかった。2021/10/01
ニョンブーチョッパー
11
★★★★★ ハンセン氏による、「不確実な褒美」を利用したSNS企業の戦略や、YouTubeでの視聴の70%以上がAIでレコメンドされたものという話は興味深い。なるほど、そういうふうにハックされているのか。スティーヴン・マーフィ重松氏の「スタンフォード大学のよう優秀な大学の学生は、ちゃんと人の話を聞かない」という話も面白い。各章冒頭で紹介されている著者陣の邦訳書は手強そうだけど読んでみたい。2022/01/23
大先生
9
ダグラス・マレー氏の移民の話は興味深い。日本でも移民政策が議論されていますが、短期的影響と長期的影響を吟味して「慎重に」決定すべきだと。例えば英国ではインド・パキスタンから移民を受け入れているため、仮に両国間で戦争が起きたとしても介入できないと。労働力不足だからといって安易に受け入れると思わぬ問題が生じるわけですね。ところで、「スマホ脳」のアンデシュ・ハンセンは、小説などは電子書籍、難しい本は紙と使い分けているそうです。電子書籍は記憶に残りにくいそうです。2022/06/03
paluko
8
自分が最近読んだ本の著者、「スマホ脳」のアンデシュ・ハンセンと「News Diet」のロルフ・ドベリを含む9人のインタビュー。それぞれ研究分野が違うにもかかわらずデジタルライフ、ビッグデータ、SNSなど全員が言及しているトピックがあるのが興味深い。日本の自殺率の高さについてスティーヴン・マーフィ重松が「BLMのスローガンは"息ができない"でしたが、日本の多くの人は同じような感覚を抱いていると思います。日本は制限が多すぎて自由度が十分にない、新の自分を出してはいけないような社会です」と語っているのが印象的。2021/11/08
Melody_Nelson
6
こうした本の常で、各論客に対してのページ数が少ないため、内容は薄くなる。その中で、ダニエル・コーエンのところが良かった。保守からもリベラルからも顧みられず、社会からこぼれ落ちた層が極右と極左に傾き、彼らは考え方が真逆なのにも関わらず、「反エリート」という共通点から結託する可能性さえあるという。これから世界はどこへ向かっていくのか…。2021/09/24
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