内容説明
犯人探しや謎解きの背後に人間存在の深淵を垣間見させ、“スイスのシムノン”との絶賛を浴びたドイツ語ミステリの先駆シュトゥーダー刑事シリーズ。青髭農夫による四人の女房の死の真相を暴く表題作をはじめ、短篇12編と長篇2編を収録。異色のアウトサイダー作家として大きな注目を集めるグラウザーの傑作小説集成、全編本邦初訳。
著者等紹介
グラウザー,フリードリヒ[グラウザー,フリードリヒ][Glauser,Friedrich]
1896年ウィーンで生まれたスイスの作家。四歳で生母と死別し、ウィーンにてギムナジウムの第三級まで履修する。その後、スイスの田園教育舎、ジュネーヴのコレージュに学ぶが放校処分となる。チューリヒのダダイズム運動に最年少のメンバーとして加わり、フーゴー・バルやトリスタン・ツァラとともに活動する。モルヒネ依存症となったため、父親により精神病院に強制隔離される。以降、外人部隊、皿洗い、炭坑夫、庭師などの職を転々とし、その放浪生活のあいだに書き上げた『シュルンプ・エルヴィンの殺人事件』(1935)でミステリー作家としてデビューする。『クロック商会』(1937)、『シナ人』(1938)等、一連のシュトゥーダー刑事シリーズを次々に発表し、“スイスのシムノン”と絶賛される。その他、『外人部隊』(1940)をはじめとした小説や、放浪記をふくむ自伝的エッセイも発表し、放浪作家としても称えられる。1938年42歳で死去。死後刊行された一連の作品によって、20世紀の先駆的アウトサイダー作家としての評価が高まっている
種村季弘[タネムラスエヒロ]
1933年、東京生まれ。57年、東京大学文学部独文科卒業。パニッツァ、クライスト、ホフマン、ルネ・ホッケなどの名訳者として知られるかたわら、パラケルスス、カリオストロ、ザッヘル=マゾッホなどの評伝や、人形、奇人、温泉、錬金術、幻想文学等をめぐる多彩なエッセイを発表する。『ビンゲンのヒルデガルトの世界』で芸術選奨文部大臣賞・斎藤緑雨賞、『種村季弘のネオ・ラビリントス』で泉鏡花文学賞を受賞。2004年71歳で逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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紅はこべ
takao
氷沼
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