感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
73
再読。大正期の怪談集を再構成した一冊。本巻には「女怪の館」「妖術の館」としてそれぞれにテーマを取った話が収録されている。白眉は何と言っても冒頭に収録された「蟇の血」、大正期独特の神経症めいた文学をエロスとグロテスクで彩った様は、一気に読者を作中へと引き込んでいる。他にも「文妖伝」等当時の都市伝説めいた物から「白い花赤い茎」とか民話を題材にしたものと、幅広く収録されているのも良い。「春心」とか特に怪異は起きないのに一気に読まされたし。他の大正期の怪談とはまた違う独特の話の数々、この時期に相応しい読書でした。2023/07/07
y yoshi (イツモ ホンヲ ハナシマセンデシタ)
4
面白かった。2019/05/16
猫丸
4
読書メーターのレビューから出会えた著者。レビューを書いてくれた方に感謝です。昭和初期の怪談界の売れっ子だったという田中貢太郎の怪談集。まず文章表現が美しくて嬉しくなる。心が洗われるようなありがたさ。内容については、最後にオチがつくもののほか、茫漠とした余韻だけを残すのもあり、僕は後者が好きだなあ。主に女をめぐる話が集まっているが、怪異をもたらす女が、面長の(「長手の」と表現されている)三十がらみの妖艶な年増、という共通項をもつ。著者の好みなのかな? まあ、激しく共感するんですけどね。2018/07/31
てっちゃん
0
1997年2月9日に読了