文学の冒険<br> ふくろうの眼

文学の冒険
ふくろうの眼

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  • サイズ B6判/ページ数 373p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784336030627
  • NDC分類 943
  • Cコード C0397

内容説明

ここはドイツの片田舎トゥルゼルン。今夜も眠れぬ郵便配達夫がひとり。両眼を開けて生まれてから、どちらの眼も閉じたことがない。その不眠ゆえ彼の眼は〈ふくろうの眼〉、封を切らずに郵便の中身を見透す眼、となった。使者たるもの、通達の内容を知らねばならぬ。その信念のもと片端から手紙を読みまくり、あげく頭の中は風変わりな住人たちの秘密でいっぱい。よこしまな夜の視覚はますます冴えわたり、眠れぬままに紡ぎ出したる24の物語。狂暴きわまる運転で村中を震えあがらせた産婆への奇想天外な復讐譚。大学者フンボルトとともに世界中をかけめぐったオウムが語る見聞録。異国に囚われた男とオールドミスの悲しい恋の物語。迷宮入りした家畜商人殺害事件の意外な真相。機中で知りあった奇妙なアルゼンチン人が唱える、作家ボルヘス非在説。すべてを語り終えた配達夫は、さて―。万華鏡のように交錯するエピソードに史実を織り込み、饒舌にシニカルに語られる現代の千夜一夜物語。現代ドイツ文学の異才、本邦初紹介。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

きゅー

9
手紙の中身を透かし見る能力を持つ郵便配達夫の物語。と言いつつも、読み終えても何がどういう物語だったのか判然としない。天才オウムの話や、ボルヘスが実は虚構の人物だったなどといったエピソードがいくつも突発的に物語られ、それとともに語り手のあちらこちらに飛ぶ過去の話が紛れ込む。 そんな彼が綴る物語の群れを右にかわし、左にすり抜け、2段組を350ページほども読むのは骨の折れる読書だった。古くさい物語と思って読み始めたけれど、実際には小説の中で、小説の葬式が執り行われたりとメタフィクションだった。2012/12/07

刻猫

0
混乱。頭の中が混沌としている。別の機会に、時間を掛けて丁寧に読みたい2011/09/08

栗山 陸

0
大トゥルゼルン宇宙。その中心にある女巨人の内部、居酒屋にて延々たる世間話。低脂肪乳片輪、ルムンバ大統領、ふくろうの眼をもつ郵便配達夫が語る。2010/03/20

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