感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
コットン
61
言葉のコラージュ的手法が面白いんだろうが、ほとんど理解出来ずに終わる。それでも二度目?の人生で35才なのに小学生となって生活する『ぼくとマンディブル先生』は面白く読めた。後はバットマンが出ている『ジョーカー最後の勝利』ぐらい。2018/04/05
mejiro
8
「フローレンス・グリーンは八十一歳である」「ピアノ・プレヤー」「教えてくれないか」「ぼくとマンディブル先生」「高く、空高く」「ジョーカー最大の勝利」がおもしろかった。アメリカ文学研究者さえ論じにくいというバーセルミ。不思議な作家だと思う。バットマンを読めるとは思いもよらなかった。2015/01/31
ハチアカデミー
5
B ポストモダンの極北バーセルミ。断片的イメージのコラージュ、意味から逃る台詞、突如挟み込まれる謎の挿絵。意図を汲み取ることができる作品もいくつかあるが、基本訳がわからない。根本的には不条理文学の系譜(「ぼくとマンディブル先生」「黄金の雨」など)だが、訳者いわく「不条理の哲学に対してほとんど全くマジメには対していない」。エリオットの引用やジョイスを思わせる文章もでてくるのだが、まったく取り合わない。モノ好きは一読の価値が… あるか… ただ、本棚に並べるためだけに買って良いぐらい、タイトルが秀逸。2012/03/06
まろすけ
4
デビュー作か。『哀しみ』や『アマチュアたち』など後年の超傑作短編集を先に読んじゃうと本書はちと洗練さに劣る。それか訳者の手腕。山崎訳や柳瀬訳と比べるとちょい日本語としての読み味は落ちちゃうかなあ。志村訳がダメなわけでは決してないが、時代の賞味期限はあるかも。【教えてくれないか】【なぜならぼくはきみを愛することだけが喜びなのだ】【マリー、マリー、しっかりつかまって】【黄金の雨】あたりが特に好み。ベスト1は【一九三八年の大放送】。バーセルミの魅力って、前衛的手法と感傷のすばらしき交配にこそある、と僕は思う。2018/08/27
Quijada
2
良くも悪くもポストモダンっぽさを感じる。いくつかの文脈のセンテンスが改行なしに繋がっていたり、芝居の台本風なものがあったり、バットマンのパロディーがあったりと小説の形式に特徴があるものが多い。この短編集の共通しているのは魅力が社会や時代性といったものを主なネタとして使っているところ。そこに小説として強度があるように思えないが理性的で自覚した軽薄さも悪くない。実験ものを閉じた文学の中でやるのでなく社会的なネタを入れて開かれたものにする意図はわかるが。好きになれない理由は筒井作品が読めないのと同じ気がする。2010/09/18
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