内容説明
アメリカと深くかかわってきた鶴見和子、鶴見俊輔、鶴見良行。3人それぞれの思想と行動をてがかりに、戦後日本人の精神史を探究する。日本の内側から「アメリカ」を越えていく方法を、わたしたちは、どのように構想できるか。
目次
序 良行のアメリカ俊輔のアメリカ(良行は百歩先まで歩いた?;アメリカという自己/他者)
第1章 祐輔から和子へ(和子・俊輔と国家の影;鶴見裕輔とアメリカニズム ほか)
第2章 俊輔の反抗(外からの風景;アメリカが敵になる ほか)
第3章 良行の越境(メディアからの出発;アメリカへの問い ほか)
結 アメリカの影アジアの戦後(「ツルミ一族」など存在しない?;「アメリカ」との遭遇 ほか)
著者等紹介
吉見俊哉[ヨシミシュンヤ]
東京大学大学院情報学環教授。1957年東京生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。専攻は、社会学・文化研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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うえ
7
「鶴見和子や俊輔が、戦後思想の代表選手として活動していたのは1940年代末から70年代までである。俊輔の場合、最も早い段階の著作といえる「言葉のお守り的使用法」が世に出るのが1946年、これに思想の科学研究会での活動が続き、そのなかには「ひとびとの哲学」や一連の大衆芸術論が含まれていた。…コミュニケーション論が展開されていくのが50年代半ば、転向研究は50年代末にまとめられ、限界芸術論が60年に出されている。…80年代以降、内容的にはどちらかというと講演録や対談集が多くなっていった。」2020/07/08
takao
3
ふむ2023/12/01
メルセ・ひすい
3
精神的な抽象論。10年前の名著…西川長夫の『国境の越え方』筑摩書房 1992年を強く意識している。さらに鶴見俊輔の母親感⇒「母親と言うのは、子供にとって内心の先住民族であり、圧制者なんだよ。スターリン以上かもしれない」 「母は正義も道徳も全て独占している。だから、こっちは命をかけて戦うしかないんです…」「母=スターリン」… 日本の内側から「アメリカ」を越えていく方法とは?アメリカと深くかかわってきた鶴見和子、鶴見俊輔、鶴見良行、3人それぞれの思想と行動をてがかりに、戦後日本人の精神史を探究する 2012/12/30
hiromin3
0
イマイチ、インパクトがなかった。問題意識はわかるが。日本人にとって「アメリカ」が何であるのかというのは、きわめて日本から見た問題の建て方であるように思った。ただ、俊輔さんのコミュニケーション論は読んでみたいという気になった。2014/10/10
tkm66
0
好き嫌いではなく、『敬意を払わざるを得ない一族』の歴史。必読!




