出版社内容情報
技術の急速な進化に伴い変化する情報流通環境――。その法制度はどうあるべきか? 「媒介者」の役割とは?
海賊版サイトやAIをめぐる著作権法上の諸問題、コンテンツモデレーション規制等々の問題については、法整備が進む一方で訴訟提起も次々行われており、プロバイダやプラットフォーム事業者(「媒介者」)がどのような義務を負い、どのような責任を問われるのか、国内外で活発に議論されています。
本書では、生成AIを含む様々な「媒介者」に特に焦点を当て、これらの近時の動向と今後の情報流通環境における法制度を考察します。
日本の著作権法を中心としつつ、比較法や実証研究、さらには憲法・民事訴訟法等の他の法分野も含め、あらゆる論点について総合的検討を行った論文集。
【目次】
第1部 著作権法と媒介者をめぐる基本的視座
第1章 変革期にある情報環境と著作権法制――本書の概要と見取り図 金子敏哉
第2章 「媒介者」論の意義 酒井麻千子
第3章 著作権制度変更に関する実証研究のレビュー 新井泰弘 = 山内勇
第4章 著作権法の萎縮効果 田中辰雄
第2部 著作権侵害と媒介者の法的責任
第5章 著作権法における侵害者と「媒介者」 上野達弘
第6章 著作権侵害の幇助と背後者の損害賠償責任 髙野慧太
第7章 アクセス・プロバイダーの著作権間接侵害に関する米国の最新状況――SME v. Cox 事件を題材に 奥邨弘司
第8章 著作物流通の媒介者に対する刑事罰の適用状況 谷川和幸
第3部 情報流通に係る主体の多様性と媒介者による利害調整
第9章 著作権侵害コンテンツの差止めおよびモデレーションと事前抑制の法理 成原慧
第10章 EUにおける著作権コンテンツモデレーション規制と基本権の保障に関する考察――デジタル立憲主義の観点から 比良友佳理
第11章 サイトブロッキングをめぐる法的課題の再検討 今村哲也
第12章 プラットフォーム事業者に対する知的財産権侵害の申告と不正競争行為該当性 渕麻依子
第13章 発信者情報開示手続における発信者の手続保障――令和3 年のプロバイダ責任制限法改正での検討と民事訴訟法における当事者識別情報秘匿制度新設を受けて 佐瀬裕史
第14章 特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律の現状と課題――EUのDSA・DMAとの比較 寺田麻佑
第15章 プラットフォームの責任ある行動義務――カナダと日本の違法・有害情報法制の比較 丸橋透
第4部 AI時代の著作権法制と情報流通のあり方
第16章 「メディア」としての生成AI 小島立
第17章 AI生成物と著作物の識別困難性 栗田昌裕
第18章 AI事業者の媒介者責任におけるフェアユース法理の展開と著作権法の変容 潮海久雄
第19章 生成AIの生成・利用による著作権侵害責任の所在 前田健
第20章 大規模言語モデル(LLM)時代におけると情報法制の課題と新たな制度構想――憲法・著作権法・政策論からの考察 木下昌彦



