ランゲルハンス島の午後

ランゲルハンス島の午後

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  • サイズ B5判/ページ数 101p
  • 商品コード 9784334970475
  • NDC分類 914.6

内容説明

この本は、1984年6月、つまり「CLASSY」の創刊から2年の間、「村上朝日堂画報」というタイトルで村上春樹と安西水丸が連載したページを単行本にしたものです。本のタイトルは、『村上朝日堂画報』から、この本のために書き下ろした『ランゲルハンス島の午後』にかわりました。

目次

レストランの読書
ブラームスとフランス料理
シェービング・クリームの話
夏の闇
女子高校生の遅刻について
財布の中の写真
みんなで地図を描こう
ONE STEP DOWN
洗面所の中の悪夢
時計はいかにして増加するか
トレーナー・シャツ雑感
CASH ANDCARRY
UFOについての省察
猫の謎
哲学としてのオン・ザ・ロック
デパートの四季
BUSY OFFICE
ニュースと時報
小確幸
葡萄
八月のクリスマス
ウォークマンのためのレクイエム
「核の冬」的映画館
地下鉄銀座線における大猿の呪い
ランゲルハンス島の午後

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

キジネコ

25
水丸さんの絵の影が好きです。思えばハルキさんの文章にも独特の影の気配があります。影が私の中に佇む歪な抽斗をノックします。26の小箱の中に収められた何かがコトコトと共振し静かに頭をもたげます。降り積もる雪の下で生を終えた生き物の頭骨から夢を開放する「ボク」を思い出しました。洗面所の中の悪夢は意外、夏の闇の冷んやりした手触り、女子高生の遅刻を好みの一番に。「1961年の春…」ランゲルハンス島の岸辺に伸ばした指先に触れた春、作家は中学生。先を行く彼らの背中を何時も僕は、眺めて感じた茫漠の影を漸く言葉で楽しむ。 2016/08/15

akane_beach

22
1986年発行。「世界の終りと…」と「ノルウェイの森」の間の時期。素敵な相棒水丸さんとの合作エッセイ。見開きを使って水丸さんのシンプルでほのぼのした絵を贅沢に使っている。村上さんは関西人っぽくないけど、こういうのを読むと、随所にボケとツッコミというか、笑える皮肉が込められているし、想像力の豊かさ、感受性の豊かさ、身近に起こること一つ一つの捉え方が面白いなと思う。この本にも出てきた「小確幸(小さくはあるが確固とした幸せ)」は氏の造語だが、台湾で流行ってるらしい。村上春樹苦手な人、こういうの読んでほしいなあ。2018/02/12

松島

21
ジャケットが村上作品の中でも1.2を争うくらい好きなんです。安西水丸さんのイラストが村上春樹さんの文章をさらにほぐしてくれる。二人の共作がもう見れないなんてなんだか寂しいね。こんなイラストを部屋に飾りたいなって探してるけどなかなか巡り会えない。いっそ額に入れて本を飾っちゃおうかな。 2018/06/23

さこちゃん

17
この頃(1980年代)の村上さんのエッセイを読んでいると、子供の頃の夏休みを思い出す。真夏の昼下がり、今ほど車も走ってなくて、みんなが里帰りしたかのように人の気配がなく、ただ蝉が鳴いているだけの住宅街を一人うろうろしている。何かに急かされることもなく、夏空の下、心地よい汗をかきながら。なぜかと訊かれてもわからないけど、そんな懐かしさを感じる文章なのかも。2017/08/01

sashawakakasu

10
まずこの本でか!女子高生の遅刻について、トレーナー・シャツ雑感、財布の中の写真、葡萄が好きです。図書館に返す前にもう一度読んでみよう。安西さんの絵との繋がりを探して。2020/07/15

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