出版社内容情報
◆「学歴」は、いつまであなたにつきまとうのか?
「学歴偏重主義」が日本企業をおかしくしたという議論のなか、新卒定期採用において「学歴不問」 no school-record basis を謳う企業が増えている。だが、それで“学歴格差”が解消されるかというと、そうではない。むしろ、“超厳選採用”になった分、有名企業の、東大、早大、慶大といった銘柄大学 brand-name universities からの採用比率は上がっているのだ。また、「早期選抜制度」の浸透で、若手社員の「出世」 career progress にも、「学歴」が微妙に影響を及ぼしはじめている。
日本の企業社会は今、産業構造の激変にともなって大きく転換しつつある。それは、「採用」「昇進」といった「人事戦略」 personal strategy の大幅な見直しとセットになっている。その結果誕生するのは、「学歴」という指標による「選別」 selection で作られる階層構造、具体的には“少数の正社員”と“多数の非正社員”で構成される企業社会である。
本書では、さまざまなデータと筆者が取材で集めた“人事担当者の生の声” live voice of personal department を分析することで、「学歴と企業」に関する種々の問題を検証する。
※巻末に「有名企業はどの大学から採用してきたか ―16年の変遷を辿る―」を採録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ななっち
2
学歴不問という採用が一時期注目されましたが、実態としては、経験値等によりある程度の学校枠があり、その他をどう配分するのかというのが現状なのかもしれません。また現在の学歴の順位付がすでに明治時代から始まっていた、ノウハウ本などが出回っていたというのは興味深いものがありましたね。2012/11/04
FPGA
0
「学歴不問」を謳いつつも学歴(学校歴)に支配される日本の会社の現状を記したj本。
たかD
0
「学歴ロンダリング」の中で推薦されていて読んだ。この本自体は人事課の人たちの意見や統計調査の結果が主な内容で客観性があり好感が持てた。強い主張があるわけではないので読みにくさはあったものの、否応なしに日本社会で学歴が依然として強い影響力を持っている事が解った。学歴だけでなく人事の実際をうかがい知る事もできるので就活生などには進めたい一冊。また、個人的には「人物本位の人選」と「学歴を使う人選」との間に隔たりはないので納得できる点も多々あった。印象的だったのは「人事は東大生などの数で評価される」という事だ。
sky-m
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難しい問題です。2009/10/31