出版社内容情報
大学生、蜂矢徹郎の行動原理は内定獲得のため。しかし自由な同級生や謎のおじさんにペースを乱され……。全力疾走の青春エンタメ!
内容説明
蜂矢徹郎、大学三年生。行動原理はもれなく内定獲得のため。常時スーツで(寝る時も!)誰に対しても敬語、友人の取捨選択は就活に有益か否か。周囲からは「就活侍」とイジられているがどこ吹く風。就活を一世一代の大勝負と見なして猪突猛進の徹郎に勝利の女神は微笑むのか!?進路に悩む学生と、未来に慄く全ての人に贈る長編青春小説!
著者等紹介
安藤祐介[アンドウユウスケ]
1977年福岡県出身。2007年『被取締役新入社員』でTBS・講談社第1回ドラマ原作大賞を受賞。2019年『本のエンドロール』が本屋大賞で11位(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ウッディ
107
就職内定こそが人生の勝利と信じる蜂矢徹郎、寝る時も含め常にスーツを着用し、誰に対しても敬語を使い、就活の役に立たないものはバッサリと切り捨てる彼の元に、就活なんてクソゲーと言い放つ謎の「おじさん」が現れる。就活はだめでも、手品師、作家、投資アドバイザーとして一芸で自分らしさを取り戻すゼミ生達と徹郎の就活を描いたコメディ。自分を選んでもらうために命を懸ける現代の就活の過酷さと滑稽さ、目的と手段を取り違えてしまうことへの警鐘、面白く読みながらも、色々と考えさせる読書でした。2022/01/31
みかん🍊
96
就活に人生をかける就活ザムライ徹郎は大学生にもかかわらずリクルートスーツで過ごし敬語で話すスーパー奨学生である、誰にも親切丁寧ではあるが実は周りは全て敵であるがゼミの同期夏海にだけは心を開いていた、ある日おじさんと名乗る社会人履修生がゼミにやってきて、就活のみが全ての学生たちに転機が訪れる、相変わらず就活は過酷でそれをどう乗り越えて行くかは本人次第、徹郎は一流会社から内定を貰う事が勝利でその後の社会人人生の方が長いのに考えていない、このままの就職は良くないに決まっている、乗り越えられるのか。2021/11/09
ジュール リブレ
78
寝る時まで就活スーツに、ワイシャツ・ネクタイ。そこまでして就職戦線での勝利に賭ける❗️ショッキングなコメディだな。今の就活状況も垣間見える。エントリーシート、インターン、お祈りメール。自分の就活は、もうずいぶん前だけど、いろんな事件や想いが詰まった時間だったのを思い出した。頑張ってください。2021/11/10
ma-bo
68
安藤さんは「逃げ出せなかった君へ」についで2作目。大学でもスーツを常に着用、堅苦しい言葉遣い、通称〖就活侍〗の徹郎が主人公。主人公のキャラ設定が独特なので現実感は薄いが、周りの登場人物(学生)だけでなく、謎のおじさんの存在があることで飽きずに読むことは出来たかな。2021/12/02
ユザキ部長
63
また安藤さんのキテレツものかな?と読み始め序盤は冷やかして読んでた。読み進めると面白く止まらない。そうだよね名乗っちまえば人は何にでもなれる。それと、強烈キャラ徹郎の深い心の闇がとてつもなく深刻で助けてあげたい一心でした。しかし主人公は徹郎なのか。寿々歌か、夏海か?いや、おじさんか?終盤で迷う。2022/05/11