出版社内容情報
才人として知られる漫画家の、驚くほど自在な空想世界が展開される。著者はじめての傑作短編集。
内容説明
レオノーラの想い人は誰なのか?砂の船が無人なのに稼働し続けるのはなぜ?ガヴィアル博士が鰐なのに賢いのはどうして?16歳の図書委員が判事を引き受けた理由は?止まった観覧車が再び動き出すことはあるのか?ゴンドラで流された大切なものはどこに行く?―父は、私になにを伝えたかった?多彩な創作活動を展開する才人・日高トモキチ。初めてにして極上の珠玉集!
著者等紹介
日高トモキチ[ヒダカトモキチ]
1965年、宮崎県生まれ。早稲田大学第一文学部卒。漫画研究会所属。1988年、ゲームブック『機動戦士ガンダム シャアの帰還』(共著)にてライターデビュー。1990年、ファミコンソフト『アイドル八犬伝』の企画・コンテに参加。1992年、「PARADISE LOST」(「近代麻雀オリジナル」)にて漫画家デビュー。1992年、SF同人誌「パラドックス」掲載「アンビストマの迷宮」にて小説家デビュー(のちに『SFスナイパー「パラドックス」SF傑作選』(1998)に収録)。漫画・挿絵担当の著作多数。ノンフィクションや小説の共著も複数ある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
びぃごろ
16
新聞書評で紹介されていた本。摩訶不思議で奇天烈な短編7本。彼女が産んだ卵の父は誰なのかと話し合ったり。動物もブリキ人形もぬいぐるみも分け隔てなく会話し、話は進む。ピーターパンや年を取ったウエンディも登場。話の途中に懐かしワードが差し込まれ、にやっとさせられたり…著者のセンスの良さを感じます。活字体もこの小説にピッタリでした。今までに体験したことがない楽しい空間に放り込まれた。初めての単独小説集ですと。2021/10/06
Book Lover Mr.Garakuta
15
【図書館本】【速読】:著者、初読みか。面白い短編小説集で、何処にでもありそうな慕情とカンショウを楽しませてくれる内容の本だった。所謂近現代小説。2021/11/03
timeturner
4
不思議の国のアリスとベケットの不条理演劇を合体させて、漫画やゲームやお笑いといったサブカル的な要素を混ぜ込み、シュールでキッチュなイメジャリーをぶちこんだ、不思議に面白い異世界だった。2021/07/01
渡邊利道
2
どことも知れぬ場所を舞台に、どことなくよく知っているような物語や人物の影、下敷きやオマージュを感じさせるパワフルでカラフルな短編集。どれも弾けていて面白かったが、やはり表題作が一番好きかなー。2021/07/22
phlooi
1
ファンタジー…というのだろう、たぶん。ごちゃごちゃしてて、こういうのに慣れてなくて、ちょっと読みにくいなとも思ったけど読了してみると何やら爽やか。 続いていくよ、つなっていくよ、というメッセージを勝手に受け取った。2022/08/04