出版社内容情報
田丸雅智[タマル マサトモ]
著・文・その他
内容説明
落とした単位をくれる女神様に、夕陽を売る少女!?みんなが知ってる童話を、現代ショートショートの名手が大胆アレンジ!赤ずきん、ヘンゼルとグレーテル、小人と靴屋など、全編書下ろし14編!
著者等紹介
田丸雅智[タマルマサトモ]
1987年、愛媛県生まれ。東京大学工学部、同大学院工学系研究科卒。2011年、『物語のルミナリエ』(光文社文庫)に「桜」が掲載され作家デビュー。’12年、樹立社ショートショートコンテストで「海酒」が最優秀賞受賞。’15年からは自らが発起人となり立ちあがった「ショートショート大賞」において審査員長を務め、また、全国各地でショートショートの書き方講座を開催するなど、新世代ショートショートの旗手として幅広く活動している。’17年には400字作品の投稿サイト「ショートショートガーデン」を立ち上げ、さらなる普及に努めている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
シナモン
159
おとぎ話を現代風にアレンジした短編集。監視カメラとかSNSが登場したり、文章も「〜じゃね?」とか出てきたりでおとぎ話とのギャップを楽しめた。「同期で一番(白雪姫)」「見えないラケット(裸の王様)」「教務課の女神(金の斧)」「つまみの家(ヘンゼルとグレーテル)」あたりが好みでした。「靴屋の悲劇(小人と靴屋)」はオチがよく分からなかったけど、ワードの話に田丸さんを想像して楽しかったです。2020/12/07
ままこ
100
表紙の可愛さに手に取ったがお話は可愛くはない。童話をアレンジした14のショートショート。ブラックユーモア「教務課の女神」。ハードボイルド「赤い頭巾」、ホラー「つまみの家」、切なすぎる「眠らせ姫」、ファンタステックロマンス「草原の少女」、夢のバトンを繋ぐ「豆の木マンション」、思いっきりシュール「靴屋の悲劇」、好みの作品は温かみと意外性がありオチもユーモアがあった「ハーメルン科」とユニークでほのぼのノスタルジック「夕陽売りの少女」。2019/02/13
ひさか
92
2018 年12月光文社刊。14編の海外童話を元にしたショートショート。元の童話のテーマを利用したアイデアが楽しい。2021/02/28
タイ子
91
みんなが知ってる海外の童話をアレンジした14作品。リアルな話から、不思議な話、ホラーもあったりでどれもなかなか楽しめる内容になっていました。有名すぎる童話だけに下手に話を落としすぎても読んでる方が引くし、盛り上げすぎるのも面白味が薄れるし、この塩梅を上手く書いてるなと。「ジャックと豆の木」「マッチ売りの少女」のパロディが好き。もっと色々書いて欲しいと思った初読み作家さん。2019/11/26
まこみん
86
童謡14編を様々なアレンジを施した短編集。カバーの絵が可愛いながらも何やら矛盾を秘めた世界観で、この本にぴったり。特に印象に残ったのは「同期で一番(白雪姫)」「見えないラケット(裸の奥様)」「赤い頭巾(赤ずきん)」「町長の像(幸福の王子)」「つまみの家(ヘンデルとグレーテル)」「大沢の耳(王様の耳はロバの耳)」見えないラケットは、先輩を懲らしめるほんの冗談からの展開がユーモアブラック。赤い頭巾は、ビックリなバトル展開。町長の像は原作と似てラストが切ない。大沢の耳はホッコリ系。気軽に読める楽しい読書。2019/06/02