内容説明
長野県の宗教団体施設が燃え、不審な遺体が多数発見された。同じ頃、静岡県山中で見つかった老婆の遺体は、光を放つ虫の大群に覆われ、流れ出す血液は黄に変色していた。周囲には何故か讃美歌が響き、虫は列をなし銀河鉄道のように夜空へと…。異様な事態に、警察は法医昆虫学者の御堂玲子に調査を依頼。また、妹を虫に喰い殺された大学生の天崎悟は感染ルートを探る。増える犠牲者。虫の正体は?治療方法は?第19回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞。
著者等紹介
嶺里俊介[ミネサトシュンスケ]
1964年東京都生まれ。学習院大学法学部法学科卒。NTT(現NTT東日本)入社。退職後、執筆活動に入る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nobby
111
うーん、何だか全般的にあんまり入り込めなかったのが残念…人間を体内から喰い散らかす虫、その背景には怪しき宗教団体「楽園の扉」、そこに法医昆虫学者登場となれば、否が応でも期待高まるばかり!その一方で描かれる理系男子の周辺から、老化・超音波などの伏線が絡んでくる中盤にゾクゾクが止まらない。ただ、そこから案外盛り上がらず、結構読み進めるのに苦戦…最終的に、その虫の正体含め何がテーマだったのか分からず読了した。人の倫理に背く興醒めな真実に行き着くが結局解決しようがないのは微妙…隕石の謎を放り出したままが一番不満…2018/10/28
あん
91
【第十九回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作】お気に入りさんの感想を読んで気になった作品です。人をあっという間に老化させて、内部から喰い尽くす人体に寄生する虫の謎を解き明かしていくミステリー。意識があるにも関わらず虫に喰われて死んでいく恐怖を考えると、恐ろしいのと同時に気持ちが悪い。そして、その虫を死滅させる唯一の方法が、人間の尊厳や倫理観がまるで通用しない点が、虫にあざ笑われている気がしてなりませんでした。なんだかんだで一気読みしましたが、虫嫌いの方にはお薦めできません...。2016/04/26
itoko♪
75
【第十九回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作】他著ですが、法医昆虫学赤堀シリーズ好きな方にオススメ。人を老化させ喰らう未知の虫グルウの謎を解明すべく調べる、法医昆虫学者の御堂と、その甥の悟、二つの視点でストーリーは語られる。表紙の幻想的なイメージと反し、虫が人を喰らう描写はかなりグロい。助かる方法が人間としての尊厳を問われるものというのは何ともやりきれないものがあった。ラストがSFチックなのがちょっと…でしたが、なかなか面白かったです。2016/04/14
ゆみきーにゃ
72
《図書館》期待しすぎたかな。そもそもミステリ色薄め。前半はドキドキしながら進んだけども、後半はかなり失速。どうしても赤堀先生と比べちゃうな~2017/05/19
ゆみねこ
71
ものすごく気持ち悪く後味の悪い1冊でした…。法医昆虫学者が登場するということで、川瀬七緒さんの「赤堀先生」のようなタイプを想像していたら違っていて。虫のおぞましさ、不気味さはよく伝わってきましたが、謎がすっきり解明できないことや救いがないことに絶望してしまいました。ヒロイン御堂怜子の壮絶な過去には驚き。第19回日本ミステリー大賞新人賞受賞作。嶺里俊介さん、初読み。2017/12/30
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