内容説明
渋谷署に分駐所を置く警視庁第二機動捜査隊所属の高丸。公務中に負傷した同僚にかわり、高丸の相棒として新たに着任したのは、白髪頭で風采のあがらない定年間際の男・縞長だった。しょぼくれた相棒に心の中で意気消沈する高丸だが、実は、そんな縞長が以前にいた部署は捜査共助課見当たり捜査班、独特の能力と実力を求められる専門家集団だった…。
著者等紹介
今野敏[コンノビン]
1955年北海道生まれ。’78年「怪物が街にやってくる」で第4回問題小説新人賞を受賞。2006年『隠蔽捜査』で第27回吉川英治文学新人賞、’08年『果断 隠蔽捜査2』で第21回山本周五郎賞、第61回日本推理作家協会賞をダブル受賞。’17年「隠蔽捜査」シリーズで第2回吉川英治文庫賞を受賞。日本推理作家協会元代表理事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
射手座の天使あきちゃん
169
熱帯夜続きで食欲も読欲も減退気味のあなたに サラサラ掻きこめるお茶漬けとサクサク読める警察短編小説はいかがですか? コールサイン『機捜235』を駆る高丸と縞長 向上心をみなぎらせる若手と「能ある鷹は爪隠す」を地で行くベテランが互いをリスペクトし信頼関係を築いていく姿に惹きこまれました。 二人を小バカにする本庁捜査一課や所轄署の刑事が最後には深々と首を垂れる姿にも警察官本来の潔さを感じました。 今野さん「いいね!」2023/08/03
KAZOO
100
今野さんの新しいシリーズが始まったようです。若い機捜の二人組のうち一人が負傷した代わりに相棒となったのは定年が近い年寄りでした。がっくり来た相棒ですがこの人物は他の人物が持っていない脳力を身につけて今まで犯人を捕まえることのできなかった事件を解決していきます。それとともに忌憚なくやり合う本当の相棒となっていく様子が九つの話の中で語られていきます。次回は長編となるようで期待しています。2022/05/18
海猫
97
渋谷署に分駐所を置く警視庁第二機動捜査隊所属の高丸と相棒として新たに着任した縞長のバディ刑事を描いた警察小説連作集。全9編。各話コンパクトながらキビキビとして読みやすくビシリ決まったエンディングになるので爽快。趣向も凝ってて飽きがこない。特に人間性が魅力的なのが縞長で、冴えないロートル警官にしか見えないが見当たり捜査に長け意外な有能さを発揮。実績を上げていくし感化され高丸も警察官として変化し成長する。9編の中では「本領」が特に面白かった。見下す上司を実力で見返す展開は定番ながら熱い。シリーズ次作も読もう。2025/02/07
aquamarine
84
警視庁第二機動捜査隊所属の高丸は、怪我をした同僚の代わりに新たに着任した定年間際の縞長と組むことになる。機捜を主人公とした話は初めて読んだが、刑事事件の初動捜査を担当する彼らの仕事ぶりはとても新鮮で興味深かった。縞長は見当たり捜査班にいたという過去があり、人の顔を覚え見分ける能力に長けている。最初はぎくしゃくしていた二人の距離が、縞長の能力を知り、活かすことで少しずつ近づき、ともに事件に関わるたびに信頼を強めていく。就寝前にちょっと読むつもりがやめられなくなり一気に読了。楽しかった!2022/06/25
紫綺
68
単行本にて読了。渋谷署に分駐所を置く警視庁第二機動捜査隊に、高丸の新しい相棒として白髪頭の定年間際、縞長が着任した。彼は元「見当たり捜査員」という特殊な技能を持っていた。記憶力の衰えた私には到底出来ない力である。痛快な連作短編。2023/12/29
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