シリーズ・哲学のエッセンス
ライプニッツ―なぜ私は世界にひとりしかいないのか

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  • サイズ B6判/ページ数 123p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784140093047
  • NDC分類 134.1
  • Cコード C3310

内容説明

世の中に、まったく同じ2枚の葉は存在しない。では、「唯一」とはどういうことか。天才ライプニッツの思想を“自分”を手がかりに解き明かす。

目次

1 モナドの哲学(ライプニッツの時代;“自分”という謎;モナドの思想 ほか)
2 個体性をめぐって(無差別の不可能性;モナドの絆;モナド相互の関係と交通 ほか)
3 “自分”の唯一性(“今・ここ”にあること;二種類の唯一性;世界にたったひとりの“自分”)

著者等紹介

山内志朗[ヤマウチシロウ]
1957年山形県生まれ。東京大学大学院博士課程単位取得。現在、新潟大学人文学部教授。専門はスコラ学など中世哲学
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

月をみるもの

12
“ライプニッツについて何か書こうと思ったら、まず最初に頭に浮かんできたのは、ライプニッツではなく、パスカル(一六二三~一六六二年)の言葉だった。 「人はひとりぼっちで死んでいく」 二十歳の頃、この言葉を知ったのが、その頃は頭が単純だったので、なぜか深い真理に出会ったような気分になった。青春時代は、いつもどしゃ降りの中にいることだ。パスカルの言葉は、コンビニのビニール傘ぐらいに少しは役に立った。”2019/09/28

テツ

10
ライプニッツといえばモナド。自我や自己という言葉を覚えそれをぼんやりと弄ぶ少年の時代に「私」と「〈私〉」(永井哲学)との絶望的なへだたりを予感した人間はいつまでも私〈私〉の問題に縛りつけられがちだよな。ぼくも「モナドに窓はない」という一文で、ただ一人今この場所から世界が開闢している存在の孤独について思い出してしまったりはするのだけれど。世界に一人どころかおそらく宇宙の歴史上「ここから」世界が開くことは初めてであり、ぼくが終わってしまったらもうそれは二度と開かない。自分の特異性、特在性、それは何に由来する?2023/11/03

またの名

9
「哲学は鉄壁冷血の理性的かつ主体的かつ論理的営みでなければならないのに、叙情的に読もうとする性癖がついてしまった…乾ききったスコラ哲学までずぶ濡れの叙情性で読もうとするから、後片付けや拭き掃除が大変」という著者は、それはそれで解説に適任かも。多くの読者が「自分は冷徹無比な論理の世界に憧れている、向いてるのだと思い込ませようとした」経験を持つので、目線は近いはず。万物が孤立した窓のないモナドという個体なら外との交通はどうなるか問題にクラインの壺を持ち出すのは原典から離れてるけど、それがこのシリーズの醍醐味。2019/05/19

hakootoko

6
「ライプニッツは、この「自覚」という概念を始めて哲学の世界にもたらした。」(p.81)そうなの?と思って、スピノザの『エチカ』の索引を引くと、「観念の観念」が出てくるので、そこを読んでみるが、引用部に続くような「反省」作用としてはたしかに読めないかもしれないし、もっとびっくりしたのはデカルト『省察』には関連しそうな項目すらなさそうなこと。精神や理性と観念や概念の関連は事実であり、そもそも「実体」「自我」などの抽象的な概念を持つのは自覚や反省によるのだということまで考えたのはライプニッツということなのかな。2021/08/09

ひつじ

5
こういう本読むと、小学生向けの分かりやすい入門マンガとか思い出しますねぇ…… 同一性と唯一性……バラバラである自分をひとつのものとして感じる不思議、バラバラにしたときの唯一性。 なんか最近そんな話したなぁ。2020/09/02

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