出版社内容情報
大阪地検一級検事の不破俊太郎はどんな圧力にも屈さず、1ミリも表情筋を動かすことのないことから、陰で能面と呼ばれていた。
内容説明
大阪地検一級検事の不破俊太郎はどんな圧力にも屈せず、微塵も表情を変えないことから、陰で“能面”と呼ばれている。新米事務官の惣領美晴と西成ストーカー殺人事件の調べを進めるなかで、容疑者のアリバイを証明し、捜査資料が一部なくなっていることに気付いた。これが大阪府警を揺るがす一大スキャンダルに発展して―。“どんでん返しの帝王”が新たな名探偵を生み出した!驚愕の検察ミステリー!!
著者等紹介
中山七里[ナカヤマシチリ]
1961年岐阜県生まれ。『さよならドビュッシー』で第8回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、2010年にデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
麦ちゃんの下僕
144
オーディオブック+文庫本。何があろうと(←◯◯された時も…というのはさすがに無理がある気がしますけどね)全く表情を変えないことから「能面」と綽名されている大阪地検の“エース”不破俊太郎一級検事の活躍を、新米事務官・惣領美晴の視点で描く物語。第一章で1つの事件が解決したので連作短編集なのかと思いきや…第二章以降はストーカー殺人に大阪府警内部の問題が絡んでくる長編となっています。結末が予想通りだったのと美晴がやや浅薄なのが残念ですが…圧力に屈せず忖度もしない不破のキャラに、僕も“隠れファン”になりました(笑)2024/05/16
KAZOO
135
中山さんの本では以前から気になっていた本で文庫化されたので読んでみました。一切感情を表に出さない検事を新人の検察事務官の目から見ていくという話で実際にはこのような人物はありえないのでしょうが私は楽しめました。忖度なしで場の空気を読まずに同調圧力には屈しないということで大阪府警全体を敵に回すような動き方をします。なぜこのような能面検事になった理由も若干書かれています。楽しめました。2021/02/17
となりのトウシロウ
121
「君のような事務官は要らん。出ていきたまえ。」冒頭の一文。新米の検察事務官の惣領美晴に、全く顔の表情を変えない「能面」検事不破俊太郎が言った言葉。いきなり不穏な空気で始まるが、中身はもっと不穏だった。組織に生きる者にとって、いや社会に生きる者にとって人間関係は最も重要で気にするもの。それが周りがどう思うか、自分がどう評価されるかは全く感知せず、自らの職務を全うしようとする。一方で、凡人では到達できない超越した不破にも過去に抱えるものがあり、そこに血の通った人間を感じさせてくれる。2024/06/16
hit4papa
115
誰に対しても、何に対しても無表情を貫き、自身の正義にのみ忠実な一級検事が主役のミステリ。新任検察事務官をバディとし全警察を敵に回した大規模な証拠品の紛失事件に挑む姿が描かれます。主人公は、過去の出来事から感情を表に出さないという設定で、その辺りの徹底ぶりが哲学的でもあり、キャラクターに魅了されます。物語は、ストーカー殺人の冤罪事件から、警察の痛い腹を探りながら、隠された闇を炙り出すまで。もちろん、どんでん返しアリ!シリーズものとしては、主人公と検察事務官、二人の関係性がどのように変化していくかが見所です。2024/07/29
涼
107
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2024/05/post-37ef3b.html まさに一気読みでした。著者の作品は恐いものが多くてしばらく敬遠していたのですが、本作はシリーズもののようなので、続けて読んでいきたいです。2024/05/05