出版社内容情報
大阪地検一級検事の不破俊太郎はどんな圧力にも屈さず、1ミリも表情筋を動かすことのないことから、陰で能面と呼ばれていた。
内容説明
大阪地検一級検事の不破俊太郎はどんな圧力にも屈せず、微塵も表情を変えないことから、陰で“能面”と呼ばれている。新米事務官の惣領美晴と西成ストーカー殺人事件の調べを進めるなかで、容疑者のアリバイを証明し、捜査資料が一部なくなっていることに気付いた。これが大阪府警を揺るがす一大スキャンダルに発展して―。“どんでん返しの帝王”が新たな名探偵を生み出した!驚愕の検察ミステリー!!
著者等紹介
中山七里[ナカヤマシチリ]
1961年岐阜県生まれ。『さよならドビュッシー』で第8回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、2010年にデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
134
中山さんの本では以前から気になっていた本で文庫化されたので読んでみました。一切感情を表に出さない検事を新人の検察事務官の目から見ていくという話で実際にはこのような人物はありえないのでしょうが私は楽しめました。忖度なしで場の空気を読まずに同調圧力には屈しないということで大阪府警全体を敵に回すような動き方をします。なぜこのような能面検事になった理由も若干書かれています。楽しめました。2021/02/17
金吾
82
○論理のみを追求し感情がない主人公は身近にいたら嫌になるかもしれませんが、読んでいる分には面白いです。組織防衛は公務員だけでなく日本社会全体の話だと思っていますが、往々にして上司の保身やそれへの忖度を言い換えているのではないかと感じます。美晴さんはヒステリックに感じました。2022/10/18
ワレモコウ
82
大阪地検の不破検事は、全く感情表現がない冷静沈着なことから、能面検事と呼ばれている。事務官の惣領美晴は、対照的に感情がすぐに顔に出てしまう。そんな二人が事件を調べていくうちに、大阪府警を揺るがす不祥事に気付いてしまう。検事物でも、裁判の場面は全くなく、その前段階の捜査に終始する。だからこそ、不破と美晴のやり取りが生きてくる。まだまだシリーズは続いているみたいだし、不破検事のプライベートや、美晴に心を開いていく様子なども見てみたいな。結構好きなキャラです。2021/10/14
TAKA
81
いいじゃないですか能面検事。今野敏さんの『隠蔽捜査』の竜崎さんと対峙させたいですね。ブレない忖度しない徹底して現場主義の一匹狼。こんな人が今は貴重なのかもしれない。化石のように扱うけど本心に温もりがあるからできる芸当だと思う。しかし大阪府警さん木っ端にされましたね。身内主義も的が外れちゃ機能しませんからね。面白かったです。2023/06/19
キナコ
80
初めて検事の仕事内容を知った。言葉は聞いたことがあっても、意味をはっきりと分かってなかった分勉強になった一冊。能面のように表情がない検事が事件を暴いていく新シリーズもの。感情論や組織意識を挟むことなく、全くの中立でここまで物事をみれる人っていないと思うからこそ、格好いいと思う。また新たな魅力溢れるキャラクターが出てきたなぁ。次回作楽しみ!2022/03/21