- ホーム
- > 和書
- > 文庫
- > 雑学文庫
- > 光文社 知恵の森文庫
内容説明
「この1巻におさめられたすぐれた随想は、単なる食べ歩きなどに全く関係がない文化論なのである」(編者・池波正太郎の前文より)。山口瞳の「赤穂の穴子、備前の蟹」、山崎正和の「エスカルゴ」、邱永漢の「豆腐」、向田邦子の「昔カレー」、吉田健一の「ロンドンのパブ」…など、世界の美味、酒をテーマに池波正太郎が選んだ名エッセイ。開高健と阿川弘之の対論「わが美味礼讃」も収録。
目次
1 真実は酒のなかにある(焼酎育ち(田中小実昌)
ロンドンのパブ(吉田健一) ほか)
2 美味は幸福のシンボル・日本編(大根(太田愛人)
横浜あちらこちら(池波正太郎) ほか)
3 美味は幸福のシンボル・外国編(エスカルゴ・ア・ラ・「蛸焼き」(山崎正和)
豆腐談義(邱永漢) ほか)
4 腸が世界を支配する(お弁当のいろいろ(小島政二郎)
献立表(團伊玖磨) ほか)
著者等紹介
池波正太郎[イケナミショウタロウ]
1923年東京浅草生まれ。下谷・西町小学校卒業後、株式仲買店に勤める。戦後、東京都の職員となり、下谷区役所等に勤務。長谷川伸の門下に入り新国劇の脚本と小説を発表。’60年「錯乱」で直木賞受賞。「鬼平犯科帳」「剣客商売」「仕掛人・藤枝梅安」の3大シリーズで時代小説の第一人者となる。’90年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Shoji
36
池波正太郎が選んだ食に関するエッセイ集です。吉田健一さん、安岡章太郎さん、山口瞳さん、向田邦子さん、北杜夫さん、他多数の文士の先生方のエッセイが選りすぐられて収録されています。さすが名文士さんたち、食や酒に造詣の深い方ばかりです。読みやすくて魅力あるお話が綴られていました。小島政二郎さんのエッセイ「お弁当のいろいろ」がとても印象に残りました。旅先で食べる郷土料理のお弁当の素朴さ、美味しさの描写が素晴らしかったです。2021/01/09
がんもどき
10
多分再読。戦後から1980年代くらいまでの日本がだんだん豊かになっていった時代の空気があふれる頃の、食べ物に絡めたエッセイ・アンソロジー。自分が生まれたか生まれないかのころから小さいころまでの時の話なので、親や大人たちはこんな時代を生きていたんだと興味深い内容だった。さんざん食欲を刺激する話が並んだ後でシモの話の対談で締めくくるのが毒が効いている。物欲しそうに食べ物話を読みたがる読者への、編者の池波正太郎流の風刺だろうかと思う。2023/08/19
DEE
9
ちょっと昔の作家たちの食に関する文章や対談を集めた一冊。 編集は池波正太郎。 時々食をテーマにしたエッセイなんかを読むけど、このご時世それほど物珍しい物もないし、Amazonには大抵の物はあるしでワクワクしながら読むというは本当に少なくなった。 で、そんな時こそちょっと古い時代のを読むと逆に新鮮だったりする。 物が少ないからこそ贅沢がわりと身近にあったのだろうな。2019/10/13
dzuka
3
池波正太郎編の食に関する本だとなると、やはりただのグルメの本ではない。 聞いたこともないような料理がでてくる。これは昔の作品というだけでなく、マニアックな作家が、より深淵を語っているから。 それにしても書いているどの作家も本当に楽しそうだ。やはり食のことを好きなように書くのは、この上ない幸せなことなのだと感じる。 毎食、あなごばかり、牡蠣ばかり、ビールばかりという話もあるが、グロッキーかと思いきや嬉々として続けており、もはや修行僧としか思えない。戦争で食に苦労した人たちだから、尚更なのかもしれない。2022/07/14
miwapicco
2
3回目くらい?読むたびに注目するところが違っていつでも新鮮^ ^2013/10/27