出版社内容情報
周囲と衝突しがちな高二の夏希は、内気な同級生・結と校内の事件を解決するようになって・・。少女達の友情がきらめく青春ミステリ。
内容説明
猪突猛進でトラブルを起こしがちな夏希は、高二になって調理部へ転部する。同じ時期に入部してきたのは、内気なクラスメイトの結。正反対の二人は部活で一緒にパンを焼くことに。でも、なぜか夏希たちの作ったパンだけが膨らまない!原因を究明しようと奔走するうち、お互いのことを知っていく二人。やがて周囲との関係も変化して…。少女たちの友情がきらめく、極上の料理×青春ミステリー。
著者等紹介
友井羊[トモイヒツジ]
1981年、群馬県生まれ。國學院大學文学部哲学科卒業。2011年『僕はお父さんを訴えます』で第10回『このミステリーがすごい!』大賞優秀賞を受賞し、12年小説家としてデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
104
タイトルから、先日読んだ作品の続編だと期待。そして人物は別だけど世界が共通していて、「あぁ、そうなんだ」と作者に感謝したくなった。料理を介して、2人の対照的な少女が友情をきずいていく物語。そして謎解きミステリ。全体をつらぬく大きなテーマがあるのだが、それは未読の方のために書かないことにしておきたい。夏希も結も、ほんとうにいい子なんだよね。だからこそ苦しむこともあるんだけど、それを乗り切って、周囲の仲間も救われていく。「彼女たちが強かったからだ」とは言わないでおこう。理由がぼくにもうまく言い表せないけど。2022/02/28
寂しがり屋の狼さん
101
ほろ苦い。甘酸っぱい。青春を形容するときによく使われる表現ですね。だけどよく考えてみれば、これは元来、食べ物の味を表す言葉。ほろ苦いチョコレート。甘酸っぱい苺。なぜそれがこんなにも青春の描写に似合っているのだろう。それはおそらく、青春が料理に似ているからですね(◕ᴗ◕✿)2023/05/17
ちょこまーぶる
77
楽しい読書時間だったなぁ~と思える一冊でした。高2になって陸上部を辞めて、調理部に入部した奔放な夏希と内気で人としゃべるのが苦手な結の出逢いから始まる料理ミステリーです。二人のキャラが対照的ではあるんですが、一つの推理・解決をするたびに二人の相手を思いやる気持ちが増していく過程がホッコリとします。そして、夏希のグレーゾーンだった発達障害に対しても、結が全く気にすることもなく認めている姿が、とても心を優しい想いにさせてもらいました。重いミステリーでは無くて、気軽なミステリーでニヤッと品が読めますよ。2024/09/16
坂城 弥生
56
前作のスイーツレシピで謎解きをと繋がってるんだなぁと。生きづらさを抱えた高校生達の日常ミステリー。2022/07/06
Karl Heintz Schneider
56
短髪で直情型言動の荏田夏希。長髪でコミュ障気味の落合結。全くタイプの違うふたりは高校2年生。偶然、調理部に入部したことから話すようになる。部内で起こった食べ物に関わる謎をふたりで協力して解いてゆく物語。行動派で捜査や聞き込み担当の夏希、理論派で推理担当の結このふたりはまるでワトソンとホームズのようだ。その二人が8つの章を交互に語る。ワトソン目線、ホームズ目線、それぞれで。青春・友情成分大目かと思ったら意外とゴリゴリのミステリー小説だった。本書の全編とも言うべき「スイーツレシピで謎解きを」再読予定。2022/05/03