知恵の森文庫
マンガの深読み、大人読み

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  • サイズ 文庫判/ページ数 374p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784334784485
  • NDC分類 726.1
  • Cコード C0195

内容説明

黄表紙、戦前のマンガから手塚治虫、鳥山明、浦沢直樹まで「表現論」の観点から読み解く。「少年マガジン」黄金時代を築いた「巨人の星」と「あしたのジョー」の徹底分析。海外から見た日本のマンガ事情とその問題点など、マンガ評論の第一人者が、多くの角度と方法をもって、広がりつつあるマンガの「今」に立ち向かう。

目次

1部 マンガ読みの快楽(手塚治虫は生きている;鳥山明『DRAGON BALL』試論―「強さ」とはなにか?;ねこぢるのうつろな目 ほか)
2部 『あしたのジョー』&『巨人の星』徹底分析(『巨人の星』論;『巨人の星』関係者に聞く!;『あしたのジョー』論 ほか)
3部 海の向こうから読むマンガ(日本マンガは世界を制したか;東アジアのコミック事情と可能性―貸本マンガのルーツを求めて;日本マンガという文化 ほか)

著者等紹介

夏目房之介[ナツメフサノスケ]
マンガ・コラムニスト・評論家。1950年東京生まれ。’72年、マンガ家としてデビュー。’90年代よりマンガ評論家として活躍中。99年、手塚治虫文化賞特別賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ばりぼー

25
『あしたのジョー』は、「少年マガジン」の編集長ですら、「力石が死んで、あの作品も終わった感じがして、それ以後読んでない」と言うほど、力石の死は衝撃的だったが、「(力石というライバルを失ってなお物語が失速しなかったのは、)梶原の提示した骨格を、ちばが納得しようとして肉付けしていった結果、丈は異様なリアリティを持って成長し、彼自身の物語を辿った。丈は力石の青年化を受け継いだのだ。迷い、苦しみ、独力でそこから抜け出て自分の必然を辿りきるという青年期的課題の象徴となり、時代的な滅びの美学に殉じたのである。」2019/07/03

へくとぱすかる

23
冒頭に申し訳程度にマンガの歴史的な記述があり、第二部から俄然調子が変わる。「巨人の星」と「あしたのジョー」を分析するために、当時の作家、編集者などから実情をインタビューして、真実を明らかにする。おそらく夏目さんが最も力を入れて書いているであろう部分。これが第三部の海外のマンガ事情につながるとは思っていなかったが、60年代からの日本マンガの質の変化こそが、マンガを日本の文化として定着させ、それが海外にはわかりづらくなっていることを述べる文章に続く。このへんが「深読み」「大人読み」にあたるのだろう。2014/12/09

たくのみ

8
ジョーと飛雄馬の徹底分析、というのが読みどころ。原作者、漫画家、編集者、アシスタント、多くのインタビューの中で両作品の凄さが浮かび上がる。夏目さんのマンガ評論は「上から目線」と「知ったかぶり」が嫌いなんだけど、マンガ研究という分野が一般化していることがよくわかる。でも、こういう読み方して楽しいかな?2015/01/07

Tetchy

4
第1部、第2部は面白く、第3部はかなり社会学的側面が強くなり、その方面に興味がある者ならば興味深く読めるだろう。しかし私は面白く読めなかった。悪いが、夏目氏の知識はマンガを語るには博覧強記であるのだが、学術的な面になると、裏づけのない自論を単純に展開しているだけのように思われたからだ。しかし、第1部、第2部はさすがこの界の権威、素晴らしい物がある。読んでいたマンガについても気付かされることがあり、さすが「夏目の目」は健在だ。特に第2部の『巨人の星』と『あしたのジョー』についての文章は面白くてしょうがない。2010/02/01

じょっちゅん

2
本書の中でも、梶原一騎の2大代表作を分析する第2部は、各当事者からのインタビューを踏まえながら書かれた論考が掲載されており、マンガ史のみならず戦後文化史を考える上で現在でも通用するものだと思われる。2017/12/19

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