出版社内容情報
三上延[ミカミ エン]
著・文・その他
内容説明
百年続いた写真館の館主、祖母・西浦富士子の遺品を整理するために、桂木繭は江ノ島を訪れた。かつてプロの写真家を目指していたが、ある出来事がきっかけで、今はカメラを持つことができない繭。懐かしい写真館を訪れ、祖母と親しかった人々と出会うことで、封印していた過去が少しずつ露わになっていく。そして―。写真の謎解きと、人間の過ちと再生を描く物語。
著者等紹介
三上延[ミカミエン]
1971年神奈川県生まれ。古書店勤務を経て、『ダーク・バイオレッツ』で第8回電撃小説大賞3次選考を通過し、2002年に同作でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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乱読太郎の積んでる本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
gonta19
131
2019/2/7 Amazonより届く。 2022/5/11〜5/13 ビブリア古書堂シリーズ以外の初三上作品。本作の舞台は江ノ島の古い写真館。無くなった祖母の遺品を整理しにきた孫娘が江ノ島に住む人々、昔の友人と残された写真にまつわる謎に巻き込まれていく。人物の造形も丁寧で、古本と写真という素材は違うが、同じような雰囲気の作品。シリーズ化しないのかなぁ。2022/05/13
カメ吉
101
終始重苦しい空気の中でストーリーが展開して少ししんどい作品でした。古い写真館跡が舞台なのとヒロインが暗い過去を引き摺っていて重い空気を醸し出していた。『ビブリア』と比較してはいけないけどヒロインがダーク過ぎて読後感も悪かった。期待値が大きすぎたのかな? 少し残念でした。2018/07/03
ゴンゾウ@新潮部
90
祖母が残した写真館の遺品を整理していくうちに主人公が再生して行く物語。ビブリア古書堂シリーズの栞子さんと比べてはいけないのですが繭さんは少し鼻についてしまいました。2024/06/13
ポップノア♪@読書熱再燃中?
81
過去の失敗から夢を諦めた主人公・繭は、そのトラウマ故地味な印象を受ける。「ビブリア古書堂」の栞子さんのように魅力的ではないが、その分私は親近感を持って読めた。人は誰しも誰かを必要として生きているが、それだけで他の誰かを知らずに傷付けている。誰からも愛される人間はいない。人気があるアイドルであっても光が強ければ影も濃くなる。意図せず恨みを買うことは避けられないが、その事実に向き合うのは難しい。私も嘘と誤解が原因で10年以上会っていない友人がいるが、いつか解り合える日が来るのだろうか。重いレビューでゴメン。2018/09/07
yanae
77
江ノ島にある写真館を舞台にしたお話。祖母ぎ亡くなり遺品整理に写真館を訪れた繭。ある理由から大学で学んでまでいた写真が大嫌いになり、写真館にもこなくなっていた繭。遺品整理で未渡の写真を渡すことから、写真とまた向き合うように。繭の推理力もすごい。栞子さんみたい♡ミステリーとしても楽しめました。写真が嫌いになった理由や秋孝のエピソードは重い…けど、乗り越えて前向きになりそうでよかった♡個人的にはすごく好きな作品でした。2019/08/27