内容説明
女子アナとして華やかな世界で生きてきた美季子は、四十二歳になったいまも独身である。大学の同級生だった兼一と結婚した親友の美里は、彼の不倫の果てに離婚。不倫相手と新たな家庭を持った兼一だったが、またもや女性問題でトラブルを起こす。美季子には、兼一への複雑な想いが…。成熟した四十代だからこそ芽生える「心の迷い」を描き出した傑作。
著者等紹介
林真理子[ハヤシマリコ]
1954年山梨県生まれ。’82年エッセイ集『ルンルンを買っておうちに帰ろう』がベストセラーとなる。’86年「最終便に間に合えば」「京都まで」で第94回直木賞受賞。’95年『白蓮れんれん』で第8回柴田錬三郎賞受賞。’98年『みんなの秘密』で第32回吉川英治文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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まひと
28
林真理子さん初読み。『私のこと、好きだった?』主人公は40代の独身アナウンサー、美季子。後ろのあらすじを見てなかったので、彼女が誰にこの問いかけをするのか知らないで読んだが、彼にだとわかったとき「ああ、やっぱりか」と思う反面「どうして自分から複雑な関係になろうとするの…」と思ってしまった。それでも最初は美季子のような40代に憧れたけど、最終的には美季子も兼一も美里も多恵も、何だか今の私には理解できなくて、読了後の後味の悪さが際立った。面白いけど難しい内容でした。2014/05/25
したっぱ店員
27
新刊棚でみかけ、久しぶりの林作品。いやー、なんかバブリー!アラフォーの男女がだうだぐずぐず不倫だのなんだの・・。年齢的には近いはずの私だけど、誰にも感情移入できずイライラしてくる。「女の人はこーいうの好きなんでしょ」なんて言われたくないなあ。2012/12/16
カーミン
16
美季子は42歳、独身の女性アナウンサー。大学の同級生だった兼一は、バツ1、略奪婚をした妻子を持ちながら、さらに別の女性にも手をつける。そんな兼一に美季子は複雑な想いを寄せている。別の男と結婚しても、忘れることができない美季子の兼一への気持ちがよく描かれているが、読了の後味が少し悪かった。2016/02/12
ひつじ
14
女、男、理屈ではないのだと思う。理屈じゃないことが、男女であり、人間同士なのだと思えた。ただし、今の私の年齢がそう思わせているのかもしれない。それが人間なのだなぁ2015/03/09
ミーナ
12
42歳の女子アナ美季子は、大学時代の親友 美里と、同じく大学時代の親友で不倫の挙句に美里と別れた美里の元夫 兼一と、いずれも良好な関係。ところが美里に起きた出来事により事態が動き始める-2組の夫婦を通じて表される結婚における男女差。女性は家庭を子供を真摯に守ろうとし、男性は面倒なことからに逃げる傾向にある。女性は妻となり、さらに母となることで、意識改革されるのだろうか。兼一の嫁 多恵は悪人的立場で描かれているが、多恵目線で見れば悪人は美季子たちのほうなのだ。ケンちゃんのダメンズっぷりがおもしろかった。2014/07/07