内容説明
仕事にも私生活にも張りを失った日々を送る富永重雄。手に入れた自由な時間は持て余すばかり。二十数年ぶりにフルートを吹きたくなった彼は、ピアノを弾くという楽器店の店員、明美と親しくなる。ふいに芽生えた新たな恋心に戸惑いながらも、彼女との合奏のために練習に打ち込んでいく…(シチリア舞曲)。切なくほろ苦い、再びのときめき。男達を応援する十の物語。
著者等紹介
赤瀬川隼[アカセガワシュン]
1931年三重県生まれ。’83年『球は転々宇宙間』で第4回吉川英治文学新人賞を受賞。’95年『白球残映』で第113回直木賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
じいじ
77
老いらくの恋心を描いた「秋日和」を、10年ぶりに読み返してみた。今度は文庫で。登場人物は、独身の圭一(46歳)とその叔父、ヒロインは独り身の美女(38歳)の三人。物語は、叔父からの電話で「急遽ですまないが、美人を東京駅で出迎えてほしい」と。叔父の企てとは知らずに、二人の初デートは円滑に進展します。逢ってみると、叔父の言ってた「十人前の美女」より、もっと上だと圭一はひとめ惚れ。果たして、この恋の行方は…? 直木賞作家の赤瀬川氏が描く「月下氷人」の恋物語は最後に、叔父と美女には細やかな過去の秘密が…。2023/08/23
kaoru
1
こんなことってあるのという意味でちょっとファンタジーが入っていて、でも結末はほろ苦い。上品な文章で書かれていて読みやすいです。微妙に純情なおじさんたちの恋愛短編集。疲れているときに読むといいかも。2015/12/22
kingbear
0
身に沁みるなぁ。
ビビアン
0
おっさんだけど恋するとかわいい。2012/07/24