谷川雁セレクション〈2〉原点の幻視者

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  • サイズ A5判/ページ数 415p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784818820012
  • NDC分類 918.68
  • Cコード C0395

出版社内容情報

「原点が存在する」の名作を残した谷川雁のいう「原点」とは何だったのか?
筑豊の炭坑労働者の運動から、子どもたちの「人体交響劇」や宮沢賢治論に至るまで、無限に広がる思考の空間を探索する。          解説=仲里効 


Ⅰ 原点が存在する
原点が存在する/現代詩における近代主義と農民/東洋の村の入口で/農村と詩 /幻影の革命政府について/反省なき日々
Ⅱ 筑豊・大正闘争
熱い泥の激突/反暴力/自立組織の構成法について/ここに酒あり/ミイケはどこへいったか/民主集中制の対極を/百時間/越境された労働運動/筑豊炭田への弔辞/献花
Ⅲ 九州/朝鮮/沖縄
ここはとかげの頭/近代の超克・私の解説/日本の二重構造/無の造型/朝鮮よ、九州の共犯者よ/からまつ林からの挨拶/〈南〉の北としての文学を
Ⅳ 意識の海のものがたりへ
「神話ごっこ」の十五年/意識の海のものがたりへ/虚空に季節あり/〈心象スケッチ〉静止態/「呪の世界」へつづく変革/人体表現をしませんか/ドーム感覚の造型へ
Ⅴ メビウスの帯の囚人
私記風の予感/二つのモダニズム/首のないはじまり―終り/海夫の風流興るとき 日高六郎様/〈非・水銀性〉水俣病・一号患者の死 石牟礼道子様/〈白い眼〉のエロスの隣り 岡本達明様/メビウスの帯の囚人 藤間生大様/[井上光晴への]弔辞
解説――無の造型から虚数の海へ 仲里功

内容説明

原点が存在するの名作を残した谷川雁のいう「原点」とは何だったのか?筑豊の炭坑労働者の運動から、子どもたちの「人体交響劇」や宮沢賢治論に至るまで、無限に広がる思考の空間を探索する。

目次

1 原点が存在する(原点が存在する;現代詩における近代主義と農民;東洋の村の入口で;農村と詩;幻影の革命政府について;反省なき日々)
2 筑豊・大正闘争(熱い泥の激突;反暴力;自立組織の構成法について;ここに酒あり;ミイケはどこへいったか;民主集中制の対極を;百時間;越境された労働運動;筑豊炭田への弔辞;献花)
3 九州/朝鮮/沖縄(ここはとかげの頭―夷狄風の貪欲な美しさ;近代の超克・私の解説;日本の二重構造;無の造型―私の差別「原論」;朝鮮よ、九州の共犯者よ;からまつ林からの挨拶;「南」の北としての文学を)
4 意識の海のものがたりへ(「神話ごっこ」の十五年;意識の海のものがたりへ;虚空に季節あり;「心象スケッチ」静止態;「呪の世界」へつづく変革;人体表現をしませんか;ドーム感覚の造型へ―“人体交響劇”で賢治を表現する)
5 メビウスの帯の囚人(私記風の予感;二つのモダニズム―60年安保から30年;首のないはじまり―終り;海夫の風流興るとき―日高六郎様;「非水銀性」水俣病・一号患者の死―石牟礼道子様;「白い眼」のエロスの隣り―岡本達明様;メビウスの帯の囚人―藤間生大様;「井上光晴への」弔辞)

著者等紹介

谷川雁[タニガワガン]
1923年12月16日、熊本県水俣町に生まれる。本名は巌(いわお)。眼科医の四男二女の次男であり、兄に健一(民俗学者)、弟に道雄(中国史学者)、(吉田)公彦(出版・編集者)がいる。熊本中学校、第五高等学校、東京帝国大学文学部社会学科卒。在学中に学徒動員され、千葉県で陸軍の野戦重砲隊員として終戦を迎える。福岡の西日本新聞社に勤務。安西均や丸山豊らと交友し、詩や詩論、批評を発表しはじめる。1947年に日本共産党入党、労働争議を指導し失職。共産党九州地方委員会に属し、井上光晴らを知る。その後、水俣や阿蘇山麓で結核の長期療養生活に入る。1958年、福岡県中間町に移住し、上野英信・森崎和江らとともに『サークル村』を創刊。サークル文化運動や坑夫たちの「大正闘争」に参入するなか、1960年に日本共産党を離党・除名。以後、杉原茂雄らとともに「大正行動隊」「大正鉱業退職者同盟」を組織し、前衛党から自立する思想・運動に大きな影響をあたえる。1965年に上京。ラボ教育センターで、「物語テープ」を用いた英語習得運動の組織化にたずさわる。1978年、長野県黒姫山麓に移住。1981年に「十代の会」、翌年に「ものがたり文化の会」を創設。宮沢賢治童話を、少年・少女たちの「人体表現」をつうじて集団的に表現する「人体交響劇」を提唱する。1995年2月2日、肺癌により死去。享年71歳

岩崎稔[イワサキミノル]
1956年生まれ。現在、東京外国語大学大学院総合国際学研究院教員

米谷匡史[ヨネタニマサフミ]
1967年生まれ。現在、東京外国語大学大学院総合国際学研究院教員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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