内容説明
東京筆記具(トーヒツ)は、筆屋の老舗から、海外にも子会社を持つ、総合筆記具メーカーへと成長した。その経営者一族の子として生まれた修と晴一は従兄弟だが、兄弟同然に育てられ、強い心の絆で結ばれていた。社長に就任した修が遺書も残さず自殺した。怒りと悲しみを抱え晴一は…。郷愁漂う浅草を舞台に、家業と血族、人の生きる意味を根幹から問う傑作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アッシュ姉
86
東京下町で筆記具メーカーの家業を受け継いできた一族の物語。同族会社は家族の問題が会社の問題に直結してしまう。兄弟、親子であるがゆえの軋轢は厄介だ。遅ればせながら読み始めた清水さん、いま読んでも面白い。読みやすいというか、文章がすごく馴染む感じ。母もお気に入りで親子でハマっているので、どんどんいきたい。2022/02/23
おさっきー
0
創業者の業を感じられる作品。一代で大きな会社とした創業者には、一族の中や会社での立場、地位にものすごく拘りがあるようだ。それも一般人には考え及ばないほどに。それにより周りも振り回されるし、身内もさらに振り回される。2017/05/07
-
- 和書
- 黒耀 - 南原喜美子句集