出版社内容情報
令和4年の犯罪件数(刑法犯)は約60万件。その数は減っているが、なくなることはない。なぜ人は罪を犯してしまうのか。ある犯罪学者は3つの段階を経て人は犯罪へと至ると言った。その人物こそが20世紀ベルギーの精神科医・犯罪学者・作家であったエティエンヌ・ド・グレーフ。国際的にも認められた彼は、誰もが罪を犯しうるとしながら、それでも犯罪を防ぐ方法を模索し続けた。本書ではそんな彼の思想と人生を丁寧に辿っていく。
内容説明
日本における二〇二二年の犯罪件数(刑法犯)は約60万件。その数は二〇〇二年より減ってはいるが、犯罪がなくなることはない。なぜ人は罪を犯してしまうのだろうか。ある犯罪学者は、人は三つの段階を経て犯罪へ至ると言った。その人物こそが精神科医・犯罪学者・作家という三つの顔を持ったエティエンヌ・ド・グレーフ。彼は、誰もが罪を犯す可能性があるとしながら、それでも人を信じ、犯罪を防ぐ方法を探し続けた。日本ではまったくの無名であるものの、その功績は国際的に認められ、国際犯罪学会は彼の名前を冠した賞まで設けている。本書では、そんなド・グレーフの思想と人生を辿りながら、人が罪を犯す心理を丁寧に紐解いていく。
目次
第1章 精神科医としてのド・グレーフ―信仰と科学のはざまで(精神医学への道;最初の勤務地での出来事;ロヴァンジュール精神病院での孤立;ボーランの聖母;ド・グレーフの調査;ド・グレーフの解釈;ボーランの聖母の結末;ロヴァンジュールを離れて)
第2章 犯罪学者としてのド・グレーフ―「犯罪者」とラベルを貼るのではなく(犯罪学の歩み;ベルギーにおける犯罪学の状況;第二次世界大戦のなかで;犯罪者とふつうの人;殺人犯の心理;犯罪生成プロセス;ケース・スタディ;犯罪の医学的予防;犯罪の社会的予防)
第3章 作家としてのド・グレーフ―共感本能を取り戻すために(ド・グレーフの人間観;防衛本能;共感本能;目指すべき平衡;犯罪学と文学;ド・グレーフの文学的実践;文学のなかの、犯罪へ至る心理)
終章 ド・グレーフの最期(戦後の活躍;ド・グレーフの最期;それから)
著者等紹介
梅澤礼[ウメザワアヤ]
1979年生まれ。上智大学卒業後、ベルギー政府給費留学生、フランス政府給費留学生として留学したのち、2012年にパリ第1大学史学科博士課程修了。日本学術振興会特別研究員PD、富山大学人文学部准教授を経て、明治学院大学文学部フランス文学科准教授。専門は近代の文学と犯罪学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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takao
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