内容説明
軍医学校を卒業し、勇躍南方へ出征した新人軍医を待っていた配置は捕鯨船改造特設掃海艇二隻の軍医長。全長たったの四〇メートル、武装は小さな大砲一門にわずかな機銃と爆雷のみ、それでも立派に軍艦旗を翻して対潜哨戒に、護衛に、輸送にソロモン海域を駆け巡った小艇の最前線の日々を生き生きと綴る航海記。
目次
第1章 兄正博の生涯
第2章 戦陣日記(1)昭和十七年六月二十日~八月三十一日
第3章 戦陣日記(2)昭和十七年九月一日~十月二十六日
第4章 戦陣日記(3)昭和十七年十月二十七日~十二月三十一日
第5章 次室士官心得
感想・レビュー
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スー
18
11海軍軍医大尉で昭和18年に戦病死した兄が書いた昭和17年の日記を弟が手にして出版本です。この本は戦後に書いた物ではなく戦争の結末も知らない23歳の軍医大尉が出征から半年間を書いた日記がそのままなので当時の若者がどんな気持ちだったのか分かる貴重な記録だと思う。ラバウルやカビエンに居て戦艦比叡と霧島の撃沈を知りガダルカナル島の戦いがかなり厳しく日本は夜間に駆逐艦での細々と行われる補給でなんとかやっていると知っているのに大本営発表を信じ日本が勝つと疑っていないのには驚きました。戦場の兵士は勝敗は感じ難いのか2023/01/29