内容説明
素人探偵・森江春策の助手、新島ともかが迷い込んだ屋敷は、ポーの「赤死病の仮面」を思わせる怪奇な館だった。一室一色に塗り分けられ、複雑に折れ曲がった七つの部屋を黒衣の人影が通り抜けた翌朝、ともかと同宿だったはずの女性・沙耶は失踪し、かわりに無惨な死体が残されていた…。不可能興味横溢する表題作のほか、ジョーカーに扮した殺人者の鮮やかな出現と消失、変転する事件の構図と意外な犯人像、衆人環視下の完全密室の犯罪など本格推理の精髄ともいうべき作品群を収録。大好評『和時計の館の殺人』に続く森江春策シリーズ第二弾。
著者等紹介
芦辺拓[アシベタク]
1958年、大阪生まれ。同志社大学法学部法律学科卒。中学時代から創作を始め、高校のとき本格ミステリの魅力にとりつかれる。読売新聞大阪本社在職中の1986年、「異類五種」で第2回幻想文学新人賞に佳作入選。1990年、『殺人喜劇の13人』で第1回鮎川哲也賞を受賞。文化部記者を経て1994年から作家専業となる。以後、本格ミステリを中心に執筆活動を続け、奔放なトリックと緻密な構成・考証には定評がある。新旧の名作の紹介にも熱心で、2000年秋からは、幻の名作の発掘を主題においた『本格推理マガジン』(光文社文庫)の新編集長としても活動している
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