内容説明
高校野球期待の逸材は、なぜ不登校になったのか?一度外れたレールに戻るため、どうあがき苦しんだのか?孤独と焦り、秘めたる自信とままならぬ社会や制度の壁、周囲の人々の支援―。日大藤沢高校→不登校・引きこもり・留年・高校中退→渡米→新宿山吹高校(定時制)→法政大学→渡米―イチローよりも早く、「日本人初の野手メジャーリーガー」の称号を手に入れかけた男の不屈の生き様を、『牛を飼う球団』(小学館、小学館ノンフィクション大賞候補作)の著者が描き切る!
目次
序章 イチローを超えかけた男
第1章 不登校の4番打者
第2章 週刊誌の記事
第3章 定時制高校
第4章 23歳の新入部員
第5章 黒いポルシェ
第6章 未完の番組
第7章 オランダ人になる
第8章 日米野球摩擦
終章 根鈴道場
著者等紹介
喜瀬雅則[キセマサノリ]
1967年神戸市生まれ。スポーツライター。関西学院大学経済学部卒。’90年に産経新聞社入社。’94年からサンケイスポーツ大阪本社で野球担当として近鉄、阪神、ダイエー、オリックス、中日、アマ野球の番記者を歴任。2008年から8年間、産経新聞大阪本社運動部でプロ・アマ野球を担当。産経新聞夕刊連載「独立リーグの現状 その明暗を探る」で’11年度ミズノスポーツライター賞優秀賞を受賞。’17年7月末に産経新聞社を退社(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Kentaro
29
イチロー、新庄、根鈴。3人が開幕メジャーの座をつかんだら、どうなるのか。時差の関係で、プレーボールが一番先にかかるのはエクスポズになる。そうすると、快挙の看板は、根鈴のもとに届けられる。日本が誇る安打製造機より、プリンスと呼ばれた阪神のスターより、高校で不登校となり、高校野球を全うできず、法大でもレギュラーにはなり切れず、日本のプロも経験していない、全く無名のプレーヤーが「日本人野手初のメジャーリーガー」になる。誰も気づいていないのか。根鈴をマークする日本人メディアは、変わらず鎌田だけだった。2023/12/12
ばんだねいっぺい
27
あとちょっとというところで何かが起きるのはなぜなのか。普通は、あきらめてしまうところ、何度も何度も立ち上がって挑戦していく姿勢には、胸を熱くさせられた。2022/01/25
しげき
15
波乱万丈の野球人生を送った根鈴雄次という男の物語。高校は不登校になり、そこからアメリカに 渡りメジャー昇格寸前まで登り詰める、そんな選手がいたとは知りませんでした。イチローを超えかけたとはイチローよりも先にメジャーリーガーになりかけたという事です。王道からは逸れた経歴ですが、れっきとしたプロ野球選手でした。2022/04/26
小木ハム
14
初めて日本人野手でメジャーに挑戦したのは『イチロー』というのが周知の事実だけど、実はそれ以前に一人の男が挑戦をしていた!プロ入り間違いなしと期待された高校球児の突然の不登校。王道キャリアから外れた彼が選んだのは、″アメリカで野球をやる″という獣道だった。不登校になるまでの過程と転地の心理には自分にも共感するところがあり頷きながら読みました。『ゼロからやり直したい。僕を、誰も知らないところでやりたい』彼が海外を選んだのは、必然に思えた。2020/01/15
黒頭巾ちゃん
8
日本の本流から外れてアメリカへ。アメリカナイズで日本に帰ってきても問題に。が、今は独自の打撃理論教室。2022/07/09