内容説明
家庭内暴力をふるう不登校の中学生、志方恭介が刺殺された!悲劇の夜、たまたま誘われて怪しげな店で遊んでいた父親・恭一郎は、妻や娘たちに恨まれ、警察やマスコミからは疑惑を受ける。やがて犯人が判るが、少年法で守られている犯人を糾弾する恭一郎は、逆に非難を浴びる。家庭も将来も失い、復讐心から犯人の母・はつみに近づいた彼は…。少年犯罪で崩壊した家族の苦悩と再生を描く傑作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミッフー
107
以前読んだ「父からの手紙」と同じ作家さん😅でも僕はこちらの方が圧倒的に好き❗️ 先が気になりページがどんどん進みます✌️読んでる時、僕は完全に主人公、感情移入半端ない🤣息子を同級生に刺殺されるも少年法が壁となり希望する判決が得られず家族は離散😥同級生母に仕打ちをと近づく主人公、次第に彼女に心惹かれ愛おしさが募り自分の素性知らせず恋仲に😣被害者家族の自分が加害者家族に惹かれていく💦完全tabooな世界観であるも何故だが気持ちが分かり同調してしまう、本当に形を変えた恋愛小説の力作だと思います✌️2019/08/12
mirei
39
ドラマ化されるという番組のあらすじを読むと原作を読みたくなり、一気に読んだ。不登校、家庭内暴力の息子が殺された。え、父親が殺した?と思ったりもしたが、犯人は別にいた。少年法の不平等さ、不可解さ、不透明さ、そして、被害者家族の権利などを訴えてながらも、まさかの禁断の展開に、あり得ない!と目を疑いながらも気になる気になる! 人間の感情とは理性や倫理に打ち勝つことができないものなんだなぁとつくづく思う。小杉さんの作品は人間の感情を細やかに表現され、読みやすく、読み手も感情移入しながら入り込むことができる。2019/09/13
かおる
29
ドラマで最終回を見逃し、原作を読んでみた。少しドラマとは展開が違っており、結局続きが気になったまま‥。満の詳しい動機や恭介の心の葛藤も、もっと詳しく知りたかったかな。2019/11/16
えみ
24
断崖に直面したような絶望、打ち寄せて砕けた波の陰影がいつまでもそこに残るように、人の後悔や迷い、哀しさに切なさそして絶望…それらの感情は心に暗い影を落とし、断崖絶壁の縁まで追い詰めていく。息子を少年に殺された。「少年」それだけで守られる加害者。法律は誰の為のものなのだろうかと少年を担当する弁護士の態度や言動、人権派と謳われている人々の発言、マスコミ、世間一般の部外者、其々の無責任な意見を聞いて胸が苦しくなった。追い詰められ、味方のない孤独になった心境下で縋るものを求めても仕方ないと思う。例え禁断の恋でも。2019/09/04
ひでちん
18
不登校で家庭内暴力を奮う中2の息子恭介に日々懊悩する志方恭一郎。ある日息子が刺殺されるが、同時間帯に職場の理不尽さや家庭諸々のストレスからの同僚の誘いで偶々風俗店に居た為、家族には恨まれ、マスゴミや世間には疑われ、家庭崩壊の危機になる物語展開。 刺殺さる時間帯に恭一郎が風俗で遊んでた事を噤んだ為に容疑者にされたり、恭一郎氏もツイてない人だ‥‥‥今迄浮気など一切せず懸命に働いて来て、仕事で他部署の失敗を被らされ、取引先(丹野氏)に多大な迷惑を掛け、偶々部下に強引に誘われた風俗の最中に息子が殺されるとは‥‥‥2024/11/27