内容説明
ワールドカップ開催、それにともない巨大化するスポンサーと放映権にまつわるカネ―。七〇年代半ばまでヨーロッパ中心だったサッカー界を大きく成長させ、そして腐敗させたアベランジェとブラッターというFIFAのドン。その背景には、日本の総合広告代理店・電通の影があった。世界のサッカーを“仕切る”のは誰なのか?巨大化するサッカーとカネの関係にメスを入れる、ノンフィクション作家・田崎健太の意欲作。
目次
第1章 ペレを日本に呼んだ男
第2章 現金入りの封筒
第3章 契約解除通告
第4章 兄弟
第5章 日本か、韓国か
第6章 全員悪人
著者等紹介
田崎健太[タザキケンタ]
ノンフィクション作家。1968年京都府生まれ。早稲田大学法学部卒業後、小学館に入社。「週刊ポスト」編集部などを経て、’99年末に退社。早稲田大学スポーツ産業研究所招聘研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
キク
49
正直作品としては、文体や構成に「いかがなものか?」という部分が多い。でも国際サッカー連盟(FIFA)と電通について、個人的に興味があったので最後まで読んだ。とんでもなく汚い。選手達には政治的メッセージを出すなと言うくせに、自分たちはズブズブな政治的活動で、アブク銭を手に入れている。「でも、オリンピックを主催するIOCは違う。」とは僕には思えない。今回の東京オリンピック開催への強行姿勢の裏側が、ステークスホルダーである大手メディアで語られることはないんだろうな、、、「平和の祭典」というスローガンが虚しい。2021/06/20
Isamash
35
ノンフィクション作家田崎健太氏の2016年著書。ジーコがFIFA会長に立候補時、推薦要請された日本サッカー協会は返事もしなかったとのこと。会長の田嶋幸三の人間性が良く示されていると感じてしまった。電通という会社のコンプライアンスの無さは、鬼十則をずっと掲げていたことからも伺えるが、本書の髙橋治之を中心とする電通のFIFAやワールドカップとの関わりヒストリーからも窺われる。サッカーそのものよりも,儲かる見せ物興行ととらえる感覚があまりに悲しい。検察の調査が入るのも必然か。今存在意義はない企業とつくづく思う。2022/11/30
宇宙猫
29
★★ FIFAと電通は手を組んで大きくなってきたという話?出てくる人物の経歴をくどくど説明したり話が前後するので非常に読みにくい。FIFAの事ももっと書いて欲しかった。2016/04/06
こも 旧柏バカ一代
25
年々肥大化するスポーツ利権。そして電通とFIFAの闇が根深くなってくる。これはオリンピックのIOCにも言える。【スポーツとは最高の余暇である。】これが根底にあるのに。。そして五輪汚職で逮捕された電通の高橋専務の事が結構書いてある。ペレの引退試合を日本で開催し、国立競技場で宣伝用の看板を設置出来るようにして、、そこまでは良かった。それ以降の日韓ワールドカップ辺りからコンサルティング?ロビースト?日本語だと賄賂?がないと招致出来ず。韓国との過酷な票の買取り合戦が始まる。日本が車を贈ったら、韓国は船を贈る。2021/07/23
たー
16
もうちょっとFIFAと電通の内側に深く食い込んだ内容を期待していたが肩透かし。2016/07/20