内容説明
京都府北部福知山観音寺を訪ね、その作庭現場のフィールドワークから、庭の造形を考え、庭師の生態を観察し、庭のなりたちを記述していく。新感覚の庭園論がここに誕生!
目次
はじめに―ぼくが庭のフィールドワークに出る理由
第1章 石の求めるところにしたがって(庭園の詩学1)
第2章 集団制作の現場から(庭師の知恵1)
第3章 徹底的にかたちを見よ(庭園の詩学2)
第4章 物と者の共同性を縫い上げる(庭師の知恵2)
第5章 庭をかたちづくるもの(庭園の詩学3)
おわりに―フィールドワークは終わらない
著者等紹介
山内朋樹[ヤマウチトモキ]
1978年兵庫県生まれ。京都教育大学教員、庭師。専門は美学。在学中に庭師のアルバイトをはじめ研究の傍ら独立。庭のかたちの論理を物体の配置や作庭プロセスの分析から明らかにするフィールドワークをおこなっている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
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のりのりの離島
1
好きな千葉雅也氏の帯から。「石庭の美」みたいな本かなと思っていたけれど、庭をつくる職人の試行錯誤リポート。「制作論」と紹介にあって、確かにいろんなことに当てはまりそう。庭師でもあり、研究者でもある著者の視点が独特で、職人の発する言葉の分析などがおもしろい。2023/09/03
taq
0
庭師が、一から庭を造っていく様子を細かく記録し、解釈を加えていく。 今までぼんやりと眺めていた石庭が、このようにしてできていくのかと、わくわくしながら読み進める。 とりあえずの完成までに、人と人、石と石、人と道具、いろんなせめぎ合いがあり、どんでん返しがあり、おもしろい小説を読んでいるかのようなわくわく感が心地よかった。2023/11/11
なーり
0
「こはんにしたかひて」石を置く。元からそこにあるものとの繋がりが、あるべき姿を示している。制約を作ることで自ずと形が決まっていく。設計図を引き、計画どおりに作るのとは真逆の方法で「これしかない」というかたちが出来上がっていくのが面白かった。しかもそれは完成後もどんどん姿を変えていくのだ。2023/10/15