内容説明
都市とはつねに新しいヴィジョンを先取りして示す場所であった。SF、映画、都市計画などを資料に、近代における社会と都市の変容をあぶりだす。
目次
序章 来るべき未来都市(輝ける「未来都市」;未来都市の現在 ほか)
第1章 実験室としての都市(ル・コルビュジエの「現代都市」;フランク・ロイド・ライトの「ブロードエーカー・シティ」 ほか)
第2章 都市というユートピア(未来の中の過去;太陽の都 ほか)
第3章 未来都市の現在(陰鬱な未来都市;相対化される「輝ける未来都市」 ほか)
結章 蒸発する都市と社会(『殺す』;『コカイン・ナイト』と『スーパー・カンヌ』 ほか)
著者等紹介
若林幹夫[ワカバヤシミキオ]
1962年生まれ。東京大学教養学部相関社会科学分科卒。同大学院社会学研究科博士課程中退。同大学より博士(社会学)の学位取得。東京工業大学助手を経て、現在筑波大学助教授。専門は、社会学・都市論・メディア論
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感想・レビュー
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hosakanorihisa
3
都市の「生きられるSF」としてのあり方の考察。自分の写真に非常にためになった。2010/08/18
ゆうき
3
小説や映画で描かれた想像の未来の都市を信じられなくなったのは現実の都市が進化と拡張を続け,想像の未来の都市を追い抜き、過去の都市と未来の都市が合わさった今,存在する現実の都市が「ブレード・ランナー」や「AKIRA」といった陰惨な未来都市を描く想像力が生まれ、陰惨な未来都市とそこから脱出するための身体性が描かれている。SF作品から「都市」を語るという本だけど、冷戦とかの時代的な出来事の視点が抜けてるような。2007/02/19