夢十夜―双面神ヤヌスの谷崎・三島変化

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  • サイズ B6判/ページ数 369p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784331059623
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

何故ポルノ作家に転身したのか。ベールに覆われた満州での少年時代。谷崎、三島への秘められた思い―。全てが明らかにされる、渾身の書き下ろし純文学小説!

著者等紹介

宇能鴻一郎[ウノコウイチロウ]
昭和9年、北海道生まれ。東京大学国文科卒業。37年、「鯨神」で第46回芥川賞を受賞。昭和50年代の頃より純文学の筆を折り、官能小説の世界に身を投じ、大流行作家となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

こばまり

54
宇能先生30年ぶりの純文学作品。さしずめ珍本と申せましょう。子供は読んじゃダメ。大人もモラリストは読まぬがよろし。三島谷崎を黄泉から召喚、痴態を繰り広げさすはご愛嬌。追想のどこまでが実でどこから虚かと探るは野暮。最後の章は切なくて、思わずスンと鼻が鳴る。2016/09/14

たまきら

35
ケケケケケ。早々に自分を評価しない純文学に別れを告げ、「ポルノ」で活躍し続けてきた作家の虚実入り混じった男性版シェヘラザード、といった作品です。幼い頃に見たロシア人女性の長い脚が、そのまま彼の一生の嗜好を決めてしまったのねえ。絶対に手に入らないものを手に入れるために努力するよりも、わざとそこから離れる選択をしてきたーそんな男性のコンプレックスに満ちた、大変面白い小説でした。…どんなに作者がうそぶいていようとも、彼が実力を発揮できなかった日本の文壇は見る目がないと思う。もったいないよ。2022/11/10

えも

18
芥川賞作家にして官能小説家の大家が、30年振りに純文学を! ということで思わず手に取りましたが、東大国文卒なんですね▼内容的には一種の自伝で、何しろエロスということで、谷崎と三島を地獄?から召還して語らせているのですが、どうも自分の自慢話が多い。う~む、やや残念(´△`) 2017/07/21

ハチアカデミー

17
漱石谷崎三島を操る文体実験であり、ダンテもジョイスも巻き込んだ実験小説でもあるだが、ソローキンばりの(ホモ・ヘテロ入り交じる)エロス描写も挟みつつ、結局の所冗談混じりの自伝小説であり、大人のロマンス物語なのである。もはや目的も野心もなく、「悪態をつく」ために描かれた自由奔放な作品。これぞ純文学とも思わないし、これにて復活などとは思わないが、とてつもない、得体の知れない、不思議な、アンタッチャブルな作家であることは確かである。三島と谷崎の濡れ場があるにも関わらず、最後のロマンスには胸が締め付けられる。怪作!2014/03/05

なかなか

9
芥川賞作家にして「あたし、○○なんです」の官能小説家の宇能鴻一郎が30年ぶりに純文学に復帰!…なのだそうですが、ぼくの手には負えませんでした。 たまたま図書館で手にして離せなくなってしまったのは事実なのですが、全体像がぼくの理解を超えているというか、そもそもそんな平凡なものをこの本に求めてはいけないのです。2024/02/05

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