内容説明
否定表現への意味論的・語用論的アプローチ。命題だけでなく、前提、推意、形式を否認することができる否定現象の一般的概説から、anyやyetなど否定文で現れる否定極性項目、否定接辞の分析、否定表現の通時的考察、さらには、否定辞のない否認の表現を通しての否定と否認の考察まで、多様な英語の否定現象の世界を解き明かす。
目次
第1章 否定の概説(否定現象;否定の分類と否定文;否定辞の分類;日明示的な否定の表現;否定の多様性;否定とその他の要素との関係;第1章の振り返り)
第2章 否定極性項目(NPIの生起環境;NPIの分類;統語論的分析;意味論・語用論的分析;「拡張」と「強化」;尺度:NPIの語彙意味論;まとめ)
第3章 否定接辞(否定接辞の意味:「反対関係」と「矛盾関係」;接辞同士の比較;un‐のついた形容詞;まとめ)
第4章 否定のサイクル(「否定のサイクル」とは何か;英語の否定のサイクル;タブー語:多重否定から単独の否定表現へ)
第5章 否定と否認(否定(negation)と否認(denial)
否定表現によらない否定
イディオムによる否認
二重否定、比較の否定、if条件文:否定辞があっても肯定になるもの
否認と「否定の有標性」)
著者等紹介
五十嵐海理[イガラシカイリ]
1970年新潟県生まれ。英国ニューカッスル大学大学院修士課程修了(MLitt in Linguistics)。大阪市立大学大学院博士課程単位取得満期退学。現在、龍谷大学社会学部現代福祉学科教授。専門は英語学(意味論・語用論)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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