内容説明
ネーデルラントに生まれた奇想の画家ヒエロニムス・ボス。その謎に満ちた造形を、従来の説を紹介しつつも、図像学を駆使して独自の解読に挑む。中でも隠し込まれた幾何学的思考を文字と数字のシンボリズムとして、スリリングに解明してゆく。ボス研究にかけた著者の半世紀に亘るイメージ解釈の集大成。
目次
第1部 ある世俗祭壇画のミステリー(愚者の船;放浪者;死と守銭奴)
第2部 『快楽の園』のファンタジー(フクロウ;木男(トゥリーマン)
Y字のシンボリズム
数字のシンボリズム
モリスダンス
ワイルドマン)
第3部 病いのリアリティー(一角獣伝説;「疫病」のシンボリズム;愚者の治療;奇形の図像学)
著者等紹介
神原正明[カンバラマサアキ]
1952年大阪に生まれる。神戸大学大学院文学研究科修了。西洋美術史・図像学専攻。現在、倉敷芸術科学大学芸術学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Akito Yoshiue
10
価格相応のボリューム。読むのに時間がかかったが、図版が多く楽しめた。2020/01/01
kaz
0
図版を中心に読み飛ばした。技量という点でボスの絵がすばらしいと思ったことはないが、その暗示するところやイメージはすごいと思う。日ごろ画集でコメントをざっと眺めているが、その裏にはこのような研究の成果があるというのがよくわかる。図書館の内容紹介は『ネーデルランドに生まれた奇想の画家ヒエロニムス・ボス。その謎に満ちた造形を、従来の説を紹介しつつも、図像学を駆使して独自の解読に挑む。隠し込まれた幾何学的思考を文字と数字のシンボリズムとして解明する』。2020/11/28
ヒラタ
0
作品の解説だけではなく、ボスの絵画を産み出した土壌にも書かれていて勉強になりました。文字から文字へ祭壇画の中で結ばれる線と視線の遊戯と称される線も興味を持ちました。ボスとレオナルドが会っていたらには想像が膨らみました。2020/05/24