出版社内容情報
「戦争でみんな苦労した」は本当か。終戦後の調査データから、誰が戦争を経験し、戦後に困難を抱えたのか、人びとの人生を読みとく。
終戦から6年後、京浜工業地帯の労働者一万四千人を対象に実施された調査には、人びとの生活実態とともに、徴兵、引揚、戦災といった戦争経験の質問項目も含まれていた。戦争を経験した人としなかった人とを分けたものは何か。 特定の人びとに戦争経験が偏り、戦後の困難をもたらした不平等と、それぞれの人生をデータ分析から解析する。
【目次】
序章 過去の戦争を語ること
第1章 京浜工業地帯の労働者の戦争経験
1 六割の不思議
2 さまざまな人生
3 京浜工業地帯調査を分析する
4 戦後データでは語れないこと
5 なぜデータ分析なのか
6 不平等と移動
第2章 調査データから見える戦争経験
1 戦争経験と世代
2 被徴兵者の特徴
3 外地居住・引揚の特徴
4 戦災被災者の特徴
5 徴兵、引揚、戦災の違い
6 人びとの戦後の生活
第3章 京浜工業地帯で働く人びと
1 京浜工業地帯とは
2 一九五一年の労働者
3 京浜工業地帯の労働者を類型化する
第4章 戦時に人びとはどのようなライフコースをたどったのか
1 戦時期の移動と生活
2 移動から見える人生
3 戦時下のライフコースパターン
4 ライフコースパターンと属性
5 ライフコースパターンと戦争経験
第5章 人びとはなぜ戦争に巻き込まれたのか
1 戦争経験者は誰なのか
2 誰が徴兵されるのか
3 誰が外地へと向かうのか
4 誰が戦災被災者となったのか
5 年齢、地域、階層と戦争経験
第6章 戦争経験は戦後の生活をいかに変えたか
1 戦後の生活
2 戦争経験者は不利だったのか
3 戦争経験と失業、転職、転居
4 戦後の生活の不安定さは解消されるのか
5 戦中戦後の地位の上昇・下降
6 一九五一年の収入を再び
第7章 女性たちの戦後
1 女性労働者の戦後と有配偶率
2 どのような女性が働いていたのか
3 女性労働者像を描く
4 配偶者がいないのは誰なのか
5 配偶者がいないことの不利さ
終章 戦争とは人びとを選別するシステムである
あとがき
参考文献
索引



