出版社内容情報
「社会的なもの」は政策実践においていかなる意義をもってきたのか。この理念の来歴からドイツ福祉国家の成立過程を明らかにする。
19世紀後半、ドイツ社会国家の基礎をなす社会保険制度が成立した。この成立を支えたとされる「社会的なもの」の理念はいかにして生まれ、実際の制度形成に結びついていったのか。ニクラス・ルーマンの自己言及的システム論と機能分化論を批判的に継承しつつ、近代社会における制度と知の連関を歴史社会学的に探究する。
内容説明
19世紀後半、ドイツ社会国家の基礎をなす社会保険制度が成立した。この成立を支えたとされる「社会的なもの」の理念はいかにして生まれ、実際の制度形成に結びついていったのか。ニクラス・ルーマンの自己言及的システム論と機能分化論を批判的に継承しつつ、近代社会における制度と知の連関を歴史社会学的に探究する。
目次
統治実践をめぐる「社会的なもの」の探求
第1部 福祉国家の意味論分析(問題関心と先行研究;意味論分析の理論と方法)
第2部 「社会」の地平(「社会」の概念化における諸前提;学術の「社会」―発見・解釈とそのバリエーション;政治の「社会」―状況記述と正当性調達の二重性)
第3部 社会国家の理念(政治の「連帯」―利害関心の把捉と協働の実現;政治の「補完性」―「自助のための援助」の意味論;政治の「保険」―「相互性」と「投機性」のはざまで)
機能分化社会における「社会的なもの」
著者等紹介
坂井晃介[サカイコウスケ]
1987年東京都生まれ。2010年早稲田大学政治経済学部国際政治経済学科卒業。2020年東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻修了、博士(学術)。現在、東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻助教(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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