内容説明
ハートマンの問題提起を受けて続けられた論争の記録。家父長制、資本制、そして社会主義フェミニズムとはなにか。
目次
はしがき 論争シリーズの意義
新左翼の女性と男性―ハネムーンは終わった
マルクス主義とフェミニズムの不幸な結婚―さらに実りある統合に向けて
不幸な結婚を乗り越えて―二元論を批判する
反発しあう三人家族―マルクス主義・フェミニズム、そして人種差別主義
家父長制と資本の真の物質的基盤とは何か
マルクス主義とフェミニズム―不幸な結婚、試験的別居、あるいはもっと別の関係か
母親、父親、そして子ども―私的家父長制から公的家父長制へ
家父長制と資本制の不幸な結婚
総括と私の意見―討論を継続して
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Olive
11
「マルクス主義とフェミニズムの不幸な結婚」のハートマンの論文を軸に,多角的に批判する論文集. 性視点の欠如というマルクス主義の分析には,資本制と家父長制という異なる構造・運動・歴史を持つ二つの社会関係システムによって女性の状況は規定されるという見解が女性分析に最も有効であると主張する. マリオンヤングは,むしろマルクス主義とフェミニズムを統合し,女性の抑圧を中心的特質とする一つのシステムとして資本制的家父長制を理解できるような理論を構築すべきだと.幸福な結婚かさもなくば離婚かとはこのことらしい.2023/06/07
Tokujing
0
若干消化不良の感があるが、とりあえず読了。マルクス理論とフェミニズムの関係のあり方について、ハートマンの「マルクス主義とフェミニズムの不幸な結婚」とそれに対する様々な論評からから構成される論文集。ハートマンは近代社会を資本制と家父長制という二つの独立したシステムの協調に依るものと捉え、女性抑圧の大元を家父長制に据える。資本制はそのような家父長制とは原理的に対立するものであるが、その柔軟性により家父長制との協調を可能とし、家父長制の要請する経済領域における女性抑圧を請け負っているとわたしは理解した。2014/04/27
しじま・炎のラニーナchang
0
アイリス・ヤングの語る「差異の政治」について読み込みたいとおもう。上野の言う日本の文脈における「差異の政治学」とはまた別として。2023/11/08
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