出版社内容情報
「歴史、文化、慣習」といった要素に着目し社会経済や人々の行動にどのような影響を及ぼすのかを綿密な実証分析を用いて解き明かす。
標準的な経済理論や実証研究において、ややもすると組み込み難い要素である「歴史、文化、慣習」が、人々の社会経済活動にいかように影響を及ぼしているかに関する実証分析を東・東南アジアの国々のケーススタディを用いて示す。多くのケースで、人間は歴史、文化、慣習といった要因から無関係ではいられないことが明らかとなった。
内容説明
政策志向的な開発経済学がこれまであまり光を当ててこなかった「歴史、文化、慣習」といった要素に着目し、社会経済や人々の行動にどのような影響を及ぼすのかを綿密な実証分析を用いて解き明かす。開発経済学の新たな地平線を切り拓く試みの書。
目次
第1章 イントロダクション
第2章 ベトナムの皇帝試験の遺産(1075年から1919年まで)―儒教文化の教育投資及び男女不平等への影響
第3章 仏教における輪廻感と商業的性行為の関連
第4章 共産党中央部の幹部による出身地贔屓・縁故主義―ベトナムにおける企業活動との関係からの証拠
第5章 医療現場における賄賂の慣習―患者の厚生及び公的医療保険加入との関係
第6章 家庭内出生順序効果の変遷―3回の国勢調査を用いたカンボジアの事例
第7章 丙午年における出生行動への影響―親の子に対する性別嗜好の研究
補論 丙午年に生まれた女性は本当に不運なのか?―1966年の丙午年生まれの女性の社会・経済的環境に関する分析
第8章 歴史、文化、慣習と開発経済学
著者等紹介
山田浩之[ヤマダヒロユキ]
1974年生まれ。2016年‐現在、慶應義塾大学経済学部教授。専門分野:経済発展、開発経済学、応用計量経済学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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