出版社内容情報
契約の経済学は経済学説史の中で重要な成果の一つとして考えられてきた一般均衡理論の失敗を起源とする。経済関係を考えるとき、それまでは一般均衡モデルからアイディアを得ていたが、エージェント間の戦略的行動の複雑性や現実性に焦点を当てた考えからなる経済で説明することが有用となった。
契約の経済学(一般的には「情報の経済学」と呼ばれる)はこの新しい領域を説明するツールである。その目的は、契約理論(逆選抜、モラル・ハザード、シグナリングなど)の標準的な領域をカバーすることにあり、経済行動をより現実に即して説明する
内容説明
本書はこれから研究を進める学生・大学院生あるいは近接領域の研究者のための契約理論を紹介しようというものである。本書はスタンフォード大学と国立統計・経済管理学院でのコース授業の内容を基礎としている。ここでは主としてモデル分析に使われる方法に焦点を置くとともに、様々な研究分野でこの理論がいかに応用されているかという点も強調した。
目次
逆選択:一般理論
逆選択:例示と拡張
シグナリング・モデル
モラルハザード
動学的完備契約
不完備契約
付録 非協力ゲーム理論
著者等紹介
三浦功[ミウライサオ]
九州大学経済学部助教授
堀宣昭[ホリノブアキ]
九州大学経済学部助教授
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