「次の一手」はどう決まるか―棋士の直観と脳科学

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「次の一手」はどう決まるか―棋士の直観と脳科学

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  • サイズ B6判/ページ数 178p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784326299294
  • NDC分類 796
  • Cコード C3040

出版社内容情報

日本将棋連盟、富士通、理化学研究所による「将棋思考プロセスプロジェクト」を軸に、人間とAIの違い、さらに思考の仕組みに迫る。盤面の状況を瞬時に把握し、先の先まで読んだかのような手を指す棋士たち。その背景にある人独自の直観的な思考のメカニズムとは、どのようなものなのだろうか。認知科学と人工知能の研究者による脳科学・認知科学研究、そしてプロ棋士自身によるコンピュータと人の対局分析を通じて、「次の一手」を生み出す思考の不思議を明らかに。

第1章 思考の秘密を解く楽しみ

 1 盤上に広がる思考研究の世界

 2 「次の一手」を生み出す思考の不思議

 3 棋士の思考の特徴

 4 直観的判断の認知的メカニズム

 5 「見る」ことの認知的な特徴と直観との共通性

 6 直観的な思考に関する脳機能の仮説──小脳仮説

 7 将棋を題材にした脳研究への期待

 8 将棋思考プロセス研究プロジェクトの発足

 9 研究プロジェクトの準備と将棋会館での予備実験



第2章 「次の一手」を生み出す脳機能解明へのアプローチ

 1 将棋棋士の直観

 2 尾状核──直観的な指し手の案出に関わる脳部位

 3 楔前部──局面理解に関わる脳部位

 4 楔前部と尾状核──将棋棋士の直観の神経回路局

 5 駒の価値と役割──局面理解の手掛かり

 6 局面理解の脳内情報処理過程

 7 残された課題



第3章 将棋の認知科学的研究

 1 ゲーム情報学から見た将棋

 2 その他のゲームを題材とした認知研究

 3 将棋における局面の記憶研究

 4 将棋における次の一手実験

 5 コンピュータの思考と人間の思考

 6 将棋と囲碁の認知的な違いに関する研究

 7 十分に強くなったコンピュータ将棋の利用



第4章 棋士の視点から読む将棋研究

 1 将棋のルーツ

 2 「読み」と「大局観」

 3 プロ棋士の鍛錬方法

 4 羽生世代が何故強いのか?

 5 コンピュータ将棋

 6 完全情報ゲームにおける人間とAIの対決

 7 プロ棋士 VS. コンピュータ将棋

 8 コンピュータが将棋を変える

 9 プロ棋士の今後



第5章 コンピュータの夢

 1 なぜ今AIなのか

 2 AIは作れるのか

 3 AIと協調する未来

 4 最後に



第6章 ヒトを対象とした脳研究が向かう先

 1 振り返って

 2 マウスでなくヒトを研究対象とした脳研究

 3 将棋を対象にして、直観を働かせる脳の働きに関する研究への期待



索 引

執筆者紹介

中谷 裕教[ナカタニ ヒロノリ]
著・文・その他

伊藤 毅志[イトウ タケシ]
著・文・その他

勝又 清和[カツマタ キヨカズ]
著・文・その他

川妻 庸男[カワツマ ツネオ]
著・文・その他

大熊 健司[オオクマ ケンジ]
著・文・その他

目次

第1章 思考の秘密を解く楽しみ
第2章 「次の一手」を生み出す脳機能解明へのアプローチ
第3章 将棋の認知科学的研究
第4章 棋士の視点から読む将棋研究
第5章 コンピュータの夢
第6章 ヒトを対象とした脳研究が向かう先

著者等紹介

中谷裕教[ナカタニヒロノリ]
1973年生まれ。東北大学大学院工学研究科博士後期課程修了。博士(工学)。東北大学大学院助手、理化学研究所脳科学総合研究センター研究員、ERATO岡ノ谷情動情報プロジェクト研究員を経て、東京大学大学院総合文化研究科助教、理化学研究所脳科学総合研究センター客員研究員

伊藤毅志[イトウタケシ]
1964年生まれ。名古屋大学工学研究科博士後期課程修了。工学博士(名古屋大学)。現在は電気通信大学大学院情報理工学研究科助教、デジタルハリウッド大学客員教授

勝又清和[カツマタキヨカズ]
1969年生まれ。将棋棋士・六段。東海大学理学部数学科卒業

川妻庸男[カワツマツネオ]
1954年生まれ。東京工業大学工学部機械物理工学科卒業。富士通株式会社入社後、ネットワークサービス事業本部長、執行役員常務、CTO&CIOを歴任。同社および富士通研究所において脳研究プロジェクトを発足させ自ら指揮

大熊健司[オオクマケンジ]
1946年生まれ。東京大学法学部卒業。旧科学技術庁に入省。文部科学省科学技術・学術政策局長、内閣府政策統括官、理化学研究所理事を経て、現在は公益財団法人中山隼雄科学技術文化財団理事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

けんとまん1007

38
棋士と言われる人たちの能力には、想像を超えるものがある。何手先まで読むのか、形成判断や大局観と言われるものなど。そこに科学の眼を入れての内容なので、とても興味深い。直観的な判断ということ。そこに至る、膨大な時間の学習・対局・分析の積み重ねの上にある直観と言われて、なるほどそういうものかと思う。それと、AI(ソフトウェア)の指向性・仕組みの違いも面白い。されを踏まえた最近の棋士の取組もまた、人間ならではのものだと思う。どんな風に変化していくのか、興味深い。2024/03/20

アキ

12
日本将棋連盟全面協力!2007年から5年間プロ棋士の脳の中をMRIで覗いてみた!あの羽生さんも協力。ある将棋の局面を見てプロ棋士に次の一手が頭に浮かぶ時間が0秒!の場合、正解率は80%以上!その直観が閃くとき、尾状核が情報処理に関わっている。局面を理解するときまず約0.2秒で左前頭葉・側頭葉で並行して駒配置の全体と価値などの分析を、約0.7秒で左頭頂葉で局面の理解を行う。つまり1秒以内に情報処理が行えている。幼少期からの教育が大事だって。卓球も体操も将棋もアスリートなんですね!藤井君の頭の中も覗きたい! 2018/06/22

jjm

8
プロ棋士の何手も先を読める頭の構造は一体どうなっているのだろうか。最終的にはひらめきや直感ということのようだが、日頃のあらゆる棋譜のインプットは必要なようで、そこからパターン認識をしているらしい。AIは短時間で人間以上の組み合わせを計算するので、人間には一見得に見えないような手がよいということが起こるらしい。将棋の世界だけではなく、あらゆる分野でAIとのよい意味での共存が図られていくのでしょうね。個人的には医療面の進歩に期待します。2020/09/19

小島輝彦

4
将棋を指す時の視線を追ってみると、初心者から中級者になるにかけてはより広く視点が動くようになり、更に上級者になってくると必要な情報だけに絞れるようになってくるので、視点の移動は少なくなる。また、アマチュアとプロの差は読みの深さや広さではなく、直感の差である。これらのことは、将棋に限った話ではなく、何かを学ぼうとする時に共通するところなのではなかろうか。また、人間の思考を追求していく時、もはやAIの存在は避けて通れないように思う。これから、意識についても、より様々なことがわかる。小さな研究の積み重ね。

あんかけ

3
出かける前に読み終え。ゲームとか盤面を見たときの考え方について読めるかなと思って買った。AIの仕組みとかは基礎の知見があるのですんなり入った。脳の部位の働きは新しい話ながらもほーんと思いつつ読めた。盤面の記憶とか認識については回数を重ねて「見たことある」による偏りによって傾向を掴んで手を選んでいるのだろうか。音ゲーやってる時に見たことある譜面は意味わからないまま叩けるし。いろんなゲームの認識について研究してほしいが、いろいろ制約もあるようで難しそう。報酬払うのは脳みそちぎって売るような扱いなのかね。2024/03/31

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